餃子パワーをもらったら、次は名所めぐり。
宇都宮のこのあたりは、「大谷石」で有名なのはご存知でしょうか?
日本家屋の塀といえば「大谷石」。
ここには「大谷」という地名があり、そこで採掘される石が「大谷石」なのです。
その採掘場跡である「 大谷資料館 」へ行ってみました。 たくさんの石を切り出したあとの、いわば洞窟のような場所が、一般に開放されているのです。
入ってみてビックリ!
「なんですか? この空間は!?」と言いたくなるほど、不思議な場所でした。
まるで古代の宮殿のような広い空間。
そして、高い天井。
ちょっと冒険家になった気分。
[左] 階段をズンズン下がって、地下の洞窟へ。これだけでも冒険心がわきます。 [中上] なんですかぁ!? この空間は!? まるで地下宮殿です。 |
見学を終えて出て行く人は、「いや~、こんな場所ほかにない。来てみてよかった」と言っています。
私も激しく同意。
ひんやりとした洞窟を歩いていると、大声で歌ってみたくなる気分。
聞けばコンサートなどのイベントも開かれているそう。ぜひ拝聴したいっ!
見学を終えて外に出ると、駐車場の周りも採掘の跡がたくさんあることがわかりました。このあたりの経済は、この大谷石にも支えられているんですね。
資料館のそばには、大谷石を使った民芸品売り場もあり、その脇では地元で焙煎したコーヒーをいただくこともできます。
未知の場所に踏み込んですっかり興奮した気持ちを、カフェで落ち着かせます。
大谷石のことがわかったら、この辺りの景色もまた違って見えるはず!
資料館 から表通りに出ると、そこは「景観公園」と名付けられた場所になります。
大谷石で形成された、自然の大壁が立ちはだかる景色は圧巻。
地球ってスゴイですね~、なーんて。
でもホント、そんな気分になります。
景観公園からすぐの場所には、大谷石の大谷ならではのお寺があります。
その名も「 大谷寺(おおやじ) 」。
まずは本殿の様に驚き。大谷石の壁にすっかり埋め込まれています。
その理由は、中に入ってわかりました。
この大谷寺の本尊は、弘法大師が洞穴に彫ったという石仏の千手観音です。
通称「大谷観音」と呼ばれています。
大谷石の壁を直接彫刻しているため、壁から浮き出たような姿をされています。
その千手観音を守るように本殿が建てられているため、穴にめり込んだようなお寺になっているのです。 |
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[左] 大谷寺の入り口。外からは大谷寺の不思議な姿は見えません。 |
今回は残念ながら撮影をすることができなかったのですが、実際のお姿を見て、こちらがなんだか気後れしてしまいそうなほど、不思議な力を持った観音様でした。
旅行ガイドやネットで写真は見ていましたが、それとはまったく違う…、「静かなれど力強い」と言えばいいのでしょうか…。本殿の奥は大谷石の壁で、そこにライトアップされた千手観音が浮き出ているのです。
全国の観音様をいろいろ見てきましたが、本当にこれは一見の価値ある姿でした。
大谷寺にはこの千手観音のほかに、釈迦三尊像、薬師三尊像、阿弥陀三尊像など、同じく壁を彫刻した仏像があり、国の重要文化財・特別史跡の二重指定を受けているそうです。
大谷寺を出たら、目の前の壁にニョキッと出たとんがり帽子に注目してください。表に回ってみると…。 高さ27mの大谷平和観音は現れます。これも圧巻! 世界平和を願い、6年以上かけて総手彫りで造られたそうです。 |
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そうそう、言い忘れましたが、大谷観音も大谷平和観音も、アニメ映画「 茄子 スーツケースの渡り鳥 」に登場しますね。
映画を観た方はさらに思い入れ深く、これらを訪ねることができると思いますよ。
2つの観音様を見終えたら、次の目的地まで移動します。移動中も大谷石に注目。
地元だと、建物の壁にも大谷石を使っているんですね。気がつけば、花壇もゴミ箱も灰皿も大谷石!