ところで、長浜には長浜城があります。
この城主は羽柴秀吉…、そう! 長浜は、のちの豊臣秀吉のお膝元だったのです。
また中山道から北陸へ抜ける要となった「北国街道」が、この街を通ります。歴史にその名を残す街だけに、どことなく「重み」と「にぎわい」を感じます。
まず訪れたのは、金太郎ゆかりの地。
ターミナルを出て3分も走ると、金太郎伝説ゆかりの熊岡神社が、さらに2分ほど走ると芦柄神社があります。
「 芦柄神社 」の入り口は、少しわかりにくいので注意が必要です。 工場の脇にある鳥居と看板が目印。この入り口は味気ないですが、奥へ行くと、趣深い静かな神社が存在します。
本殿手前には土俵があり、金太郎伝説を思わせます。実際長浜には子ども相撲のお祭りが多く、歴史もあるそうです。
芦柄神社 をあとにしたら、 できるだけ裏道を使って 長浜八幡宮 を目指します。
もちろん大きな道(県道509号) を使っても行けますが、やはり自転車の旅は一本裏側の道が走りやすく、楽しいですね。
「 長浜八幡宮 」は長浜市役所の近くにあります。 羽柴秀吉が長浜城を手に入れ、長浜を城下町として発展させた際、朽ち果てた長浜八幡宮を惜しみ、再興させたと言われています。
長浜といえば有名なのが、「長浜曳山まつり」です。
大きな山車を引くお祭りで、岐阜の「高山祭」、京都の「祇園祭」と並んで、日本三大山車祭に数えられています。
このお祭りは長浜八幡宮の春の大祭ですが、これが始まるきっかけを作ったのは秀吉なんだとか。
秀吉は、自身に男の子が生まれたお祝いとして町人に砂金を送り、町人はそれを元手に曳山(山車) を建てました。
長浜曳山まつりについて知るには「 曳山博物館 」がおすすめ。
通常、曳山は蔵などに入れられており、お祭り以外に見ることができません。
でも、こちらには本物の曳山が4基保管されていて、そのうち2基が常時公開されています。
実際の曳山を見て、その大きさにビックリ!
また、長浜曳山まつりは曳山の上で子ども歌舞伎が演じられるのですが、その舞台を疑似体験する場所もあります。
さらに興味深かったのは、曳山を修理するドッグ。日本の伝統文化と技術が、ここに凝集しているのを感じました。
曳山まつりは、4月の約1か月をかけて行われるものですが、メインは4月14、15、16日です。
曳山博物館 を出て、
アーケードになっている大手門通りを行きます。ここらでちょっと腹ごしらえ。
2つのご当地名物を紹介しましょう。
まず紹介するのは、大きなシイタケとあんかけ汁が特徴の「のっぺいうどん」。この味を100年以上守り続けている、「 茂美志や(もみじや) 」でいただきます。
のっぺいうどんに入っているのは、生麩、比叡生ゆば、かまぼこ、三つ葉、おろしショウガ、そしてビックリするほど大きなシイタケです。
お汁があんかけなので冬でも冷めにくく、おろしショウガで体がポカポカと温まります。
夏でも8割のお客さんがこれを頼むという人気メニュー。早朝から打つ自家製うどんがモチモチで、本当においしいうどんでした。
サイクリングの途中で食べるものとして、うどんはナンバーワンと言ってもいいくらいでしょうね。サッと食べられて、しかも腹もちがします。炭水化物パワーで、このあともバリバリ走れそう。
もうひとつ紹介するご当地メニューは、焼いた鯖がのった「焼鯖そうめん」です。
こちらは「
翼果楼(よかろう) 」でいただけます。
焼鯖そうめんは、長浜ではおめでたい席で欠かせないメニューなんだそう。
焼いた鯖を濃いめの汁で煮て、そうめんをサッと合わせます。ですから、そうめんの色はしょう油色。焼鯖の旨みがギュッギュとしみ込んでいます。
ひと口食べて思い出しました。
そうめんって、冷やしそうめんばかりではないんですよね。
子どもの頃、法事や寄り合いで多くの人が集まるときは、こんなそうめんをよく食べていました。ちらし寿司のような具がたくさんのっており、そうめんにしっかり味がついていて、ちょっと温かい…。
「焼鯖そうめん」は長浜出身ではない私にとっても、なんだか懐かしい味でした。 |
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[左] こちらも歴史のある建物の「翼果楼」。右側の路地が入り口になります。 |