裏道を通って再び国道236号へ戻ってきたら、目指すは帯広駅。また街中サイクリングになってしまいますが、頑張りましょう!
この先においしい豚丼が待っています。
帯広って豚丼が有名だということは、実はこの取材で知りました。その発祥は開拓時代へさかのぼります。
帯広の方に聞くと、みんなソラで言えるフレーズがあります。それは、
「開墾の はじめは豚と ひとつ鍋」
帯広の開拓をけん引した依田勉三の句です。この辺りでの養豚が始まったのは明治時代。家庭で手軽においしく豚を食べられるよう開発されたのが豚丼です。
考案したのはもともと洋食屋のコックをしていた阿部秀司さん。うなぎ丼をヒントに、豚ロースを炭で焼き、甘辛いタレにつけてレシピを完成させ、昭和8年には「ぱんちょう」
という店を帯広駅前に開きます。
最初はいろんなメニューを出す大衆食堂でしたが、昭和35年頃から豚丼一本に絞るようになりました。その味が評判を呼び、「ぱんちょう」はいつも行列なのはもちろん、 帯広に「豚丼」という食文化を根づかせました。今では豚丼を出すお店は170軒以上あるそうです。
「 ぱんちょう 」の前へ行くと、 炭で焼かれる豚の香ばしい匂い。メニューには松竹梅の文字がありますが、阿部さんの奥さんが「うめ」という名前だったため、ここでは「梅 (1,050円)」が上位。
「お客さんはみんな『うめさんください』と『さん』づけで注文していましたよ」そう言うのは、秀司さんとうめさんの娘さんで、現在、ぱんちょうを切り盛りする阿部幸子さん。
兄弟みんなでご両親の意志を継いでいるんだそうです。
「味を壊さないよう、兄弟で一生懸命やってるんですよ。豚はすべて道産もの。もちろん冷凍は一切使いません。作りたてを食べてもらいたいので、 帯広に来ていただかないと食べられないんですが、お弁当はやっています。中には電車から電話で注文をされ、帯広で下車してうちの豚丼を買い、また電車に乗られる方も。 ほかのお客さんは不思議そうに見るそうですよ。車内販売で売ってないんですから」(幸子さん)
出された豚丼を見てビックリ!
どんぶりから豚がはみ出しています!
蓋を開けると肉厚な豚がズラリと並んでいます。豚丼と聞くと、牛丼みたいに豚のバラ肉が煮つけてあるのかと思っていましたが、まったく想像と違うものでした。
一切れ取って口に運びます。
うーーーん、ジューシーな甘味のあるお肉!
甘辛いしょう油ダレも美味なんですが、何より炭焼きの香ばしい香りがたまりません。脂っこさがないので、どんどんいただけます。さすが炭焼き。一発で豚丼ファンになってしまいました♪
お昼と夕食時はお店の外に行列ができますが、夕方4時頃は比較的狙い目のよう。
帯広に来たら絶対食べないと損ですよ!
お食事を済ませたら、やっぱりデザートでしょう!
北海道土産として知られている「六花亭」。なんと帯広に本社があるとのこと。
私はこれまで帯広について無知だったことに反省。
[上] 本店1階は、六花亭のお菓子がズラリと並びます。こんなに種類がたくさんあるとは知りませんでした。
[下] 買って3時間以内に食べなければおいしさ半減。売り切れ必至の「サクサクパイ」。私が店を出る頃には、本当に売り切れていました。
1階は六花亭のお菓子がズラリと並ぶ販売スペース、2階は喫茶になっています。
販売スペースには、買った商品をその場で食べられるコーナーも用意してあります。何やら本店と他数店でしか手に入らないお菓子があるとか。
そのお菓子が「サクサクパイ(125円)」。
パイの中にカスタードクリームが入ってるこの洋菓子には、3時間以内に食べなければならないというルールが。
3時間以上経ってしまうと、カスタードの水分がパイに移り、サクサク感がなくなってしまうんだそうです。だからこそイートインコーナーが、私たち観光客には嬉しい!
ついでに、「雪こんチーズ(100円)」というのも注文してみました。もともと「雪やこんこ」というホワイトチョコを挟んだクッキーがあって、
そのアレンジヴァージョン。「雪こんチーズ」はクリームチーズを挟んでいます。こちらもチーズの水分がクッキーに伝わらないよう、2時間以内に食べなければなりません。
さらに「雪やこんこ まじりっけなし(250円)」、「あずきソフト(250円)」というソフトクリームも注文。
頼み過ぎ?
だって、こんなに六花亭のお菓子を食べる機会ってないんですもの〜。
さっそくイートインコーナーでいただきます。
なんとコーヒーの無料サービスもあります。
「サクサクパイ」をサクッ! わぁ〜、本当にサクサク〜!
やはり出来立ては全然違う。正直、パイってあんまり好きじゃないんですが、これはオイシイ。
「雪こんチーズ」も、濃厚なんだけどクセのないチーズが美味。
ソフトクリームもミルクの味がしっかり。「あずきソフト」は粉砕した小豆と混ぜ合わせているそうで、はっきりと小豆の味がします。どれも大地の味。
ちなみに無料コーヒーもおいしくて。
思わず2杯もいただいちゃいました。
お腹がいっぱいになったところで帰路につきます。
平原通りを少し北上し、西2南8交差点(帯広は碁盤の目になっているので地名が京都みたい) で右へ。国道38号へ出たら札内橋を渡ります。
ここからは札内川の南側を走りましょう。
この河川敷はサイクリングロードじゃないんですが、走ってみるとなかなか走りやすい道でした。
車も通れるようになっているものの、それほど交通量はありません。サイクリングロードへ戻るよりは、景色も変わってオススメです。
最後に十勝中央大橋を渡れば、 ターミナル はもうすぐ。とっても楽しいルートに仕上げることができました。