[上から順に]
増田川沿いを西へ。最初はキレイな河川敷でロードでも走れたのですが、途中からはダートに。ルート選択ミスでした…。
さて、いよいよここからが本当の名取熊野三社めぐり。線路を越えて、再び西へ向かいます。
私がコースに選んだのは増田川沿い。
普通の道を通ってもそれほど交通量はないのですが、あえてローカルな道を選んでみました。
でも、これが失敗…。
最初はよかったものの、後半はほとんど未舗装路でした。
それでも、途中までは未舗装路を激走!
頭で浮かぶのは4月にフランスでおこなわれた自転車ロードレース「パリ~ルーベ」だぁ!
しかし、最後はまったくムリな状態に。MTBならば行けそうです。
しかも!
私はその先も失敗をしてしまいました。
増田川の北にある県道39号にルートを変更し、「 熊野那智神社 」へ南側からアプローチしようと思ったのですが、 この道が通行止め。
通れたとしても、ロードでは走れない未舗装路でした。またかよぉぉ~。
しぶしぶ来た道を戻って、先に「 熊野神社(旧新宮社) 」へ行きます。
旧新宮社は現在、熊野神社と呼ばれています。
だからいろんな案内を見ても(旧新宮社)としてあります。
そのカッコ書きの答えなのか、現地へ行って説明書きを見ると、「熊野新宮社、熊野本宮社、熊野那智神社を合祀し熊野神社と称号」と書いてありました。
「あれれれ? 三社に分かれているのがめずらしいんじゃなかったの?? 三社を合祀した熊野神社じゃ、ほかと同じじゃん!」 と思ってしまいました。でも、本場熊野新宮を写した位置に名取熊野神社があるので、これでいいのでしょう。…か?
神社そのものは、本当に趣があって、いい神社でした。池には神楽殿があり、4月の春例祭では、熊野堂神楽を見ることができます。
次に向かうは「
熊野本宮社 」。
熊野神社からは2kmほどで行けます。
こちらは周りに音無川が配してあったり、新しい狛犬が置いてあったり、かなり手入れが行き届いている感じでした。
いずれも参拝の人は見当たりませんでしたが…。
そして最後に行ったのが「 熊野那智神社 」。
ここへ行くには、「ゆりが丘」、「みどり台」、「那智が丘」という3つの住宅地を抜け、高舘山を標高200mまで上らなければなりません。
これがキツイ~! 激坂です!
本当にこの先に神社があるのか不安になりますが、信じて上りましょう。最後のY字路は左へ行きます。
「 熊野那智神社
」は標高の高い所にあるからか、三社の中で最もひなびた感じでした。あまり訪れる人がいないのでしょう。
でも、ほかの神社にはなかった訪問客が、1人いらっしゃいました!
仙台市内からいらした男性でしたが、ここが好きで何度も通われているそうです。その気持ち、わかる気がします。名取熊野三社の中で、ここの雰囲気が一番好きです。
展望台のような舞台は朽ちて立ち入り禁止になっていますが、そこへ入らずとも名取市内が一望できます。それがとってもキレイ!
忘れ去られた場所のようでも、ちゃんと市内を見守る神社がここにあるってことが、なんとも言えないほど奥ゆかしくって。
先客の男性は、神社に立つ杉の木について説明してくれました。まずは「山一(やまいち)」という古く大きな杉。これは名取市内から見えるほど大きく、熊野那智神社の目印にもなっているそうです。
先が広がっていて、これが杉とは思えないほど。神社に植えられた杉は古いものが多く、たいていはこうして先が広がっているため、杉を見ればそこに神社があるとわかるんですって!
また、高野槙(こうやまき)という右回りにねじれた巨木もありました。巨木の前には、高野槙は悠仁親王のお印であるとの看板が。お印とは、皇族が自分の持ち物などにつける徽章(…だそうです)。
また案内の看板はなかったものの、男性が前から不思議に思っているのが、拝殿向かって左にある2本の杉。1本の枝がもう1本に刺さっているんだそうです。 「変わった杉だなぁ~と思って、いつも見てるんだ」と男性。
最後の最後で、なんだか救われたような気がしました。
地元の人には、どうも珍重されていない雰囲気の名取熊野三社も、こうして愛して通っている人がいます。
こういう方がいる限り、この文化も守られていくんだと思います。そうじゃないと、名取老女が泣きますよ。
無事に三社を回り終えて大満足!
帰りは 熊野神社の先から名取川河川敷を一気に!
ただし、名取大橋の先までは車がバンバン走っていて、結構危ないです。でも、その先はとっても快適で、のどかなサイクリングが楽しめます。
堤防が終わりかける頃には、右手に「あんどん松」が。江戸時代、伊達藩が静岡からわざわざ取り寄せて植えたといわれており、 松にあんどんをかけて灯台代わりにしたことからこの名前がついたようです。
名取川の堤防に別れを告げ、行きに少しだけ走った運河沿いを南下してみました。
小さな船が停泊しており、なんとも風情がある景色。それに見とれてドンドン進んでしまい、いつの間にか広浦の端まで来ていました。 慌てて引き返すと、遠回りした分ご褒美が待っていました。
広浦に沈む真っ赤な夕日。太平洋側のターミナルなのに夕日が拝めるのは、名取ならではの光景です。
ターミナル に戻ってお風呂に入った後は、お待ちかねの夕食。
このターミナルには、宿泊者以外も利用できるイタリアンレストラン「びあんこ」が併設されています。
宿泊者の夕食は豪華な和食ですが、注文すれば本格石釜で焼いたピザもいただくことができます。
なんと宮城県内で石釜&薪を使った本格ピザが食べられるのは、ここを含めて3か所だけなんだそう。
極薄の生地をパリッと焼き上げるタイプのピザで、このパリパリ感は、「さすが石釜!」と思わせるものでした。
夕飯の量がたっぷりあるので、何人かで行ったときに1枚頼みたいものです。 |
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一夜明けて次の日、今度は太平洋に昇る朝日を見ることができました。
そして帰路に就く前、ターミナルのスタッフから教えてもらった笹かまぼこ工場へ寄って帰りました。
「 菅野蒲鉾店 」というところなんですが、夫婦2人で経営されており、小売りもしてくれます。
ちょうど行ったときは、かまぼこの材料を練っているところでした。
9~10時くらいに行けば、もしかしたら焼きたての笹かまぼこがいただけるかもしれません。
[上] 太平洋に昇る朝日。名取市サイクリングターミナルは、朝日も夕日も楽しめます。 [左下] 閖上に来たらぜひ寄りたい、笹かまぼこを作る菅野蒲鉾店。 |
さてさて、これで 名取市サイクリングターミナル の旅はおしまい。
この旅を続けながらいつも思うのは、地元の人が「いやー、ここは何もないところだから…」と謙遜されるのはナゼかなぁーということ。
確かに、自分が住んでいる場所、生まれた場所は、あまりにも慣れ過ぎていて、「特筆すべきものはない」と思いがちかもしれません。
でも、自転車で走っていると、思いがけない発見、驚きに出会えるものです。自転車で旅をすれば、埋もれてしまったステキな日本を、掘り起こすことができるかも!
ところで、今回私が着たジャージ。これまでの取材で着たことのない、おニュージャージだったんですが、気がついてもらえましたでしょうか?
実はコレ、
WAVE ONE
で作った
私のオリジナルジャージ なのデース!
初めてのデザインでドキドキだったのですが、出来上がるまでのプロセスがとってもていねいだったので、安心して作ることができました。
特に、送られたサンプルを試着してサイズ決定することができたのは、「そこまでやってくれるの?」と驚きでした。
みなさんも仲間と一緒にオリジナルジャージを作ってみてはいかがですか?