少し行くと右手に閖上魚市場があり、何か見られるかと期待していましたが、中はがらんどうでした。
その先には漁師網を補修する男性たち。カレイを獲る網なんだそうです。
ここ閖上はカレイが名物。
昔はそのカレイを使って宮城名物・笹かまぼこを作っていました。だから閖上にはたくさんの笹かまぼこ工場があります。 仙台のお土産で親しまれている笹かまぼこも、実は閖上が発祥なのです。
そして忘れてはならないもう1つの名物、それが赤貝です!
赤貝のおいしさは、ミシュランで3つ星を取った「すきやばし次郎」のご主人が、「"閖上の赤貝は日本一!" と絶賛した」という逸話も残るほど。
しかし、様々な要因で赤貝が獲れなくなり、閖上の人にとっても、赤貝は高級食品となってしまいました。それでも東京で食べるのに比べればリーズナブル。
また、閖上ブランドの赤貝を復活させようという動きが始まっているので、この界隈ではどこかしらでいただくことができます。今回はその中でも有名な
「 漁亭 浜や 」
でいただくことにしました。
もともと水産業を営んでいたところなので、魚介類が豊富に安く入るんだそうです。
…とはいえ、漁師さんに「 "浜や" へ行って赤貝を食べる」と言ったら「えっ!スゴイなぁ~、いいなぁ~。俺も連れっててくれ」と返ってきたくらいなので、 赤貝では有名なことはもちろん、高級なところなんだと想像できます。
走ってきた道を戻るような形で「 浜や 」へ。
一軒家のようなたたずまいで、自転車ジャージの恰好でも入れる雰囲気。
お目当ての「日本一閖上の赤貝丼ぶり (あら汁つきで2,480円)」は1日5食限定。
だからあらかじめ予約を入れておきました。
おすすめシーズンは9~3月だそうですが、禁漁期間の7、8月以外はいただくことができます。
酢飯の上に極上の赤貝が7つものっており、ひも、肝、閖上のつぶ貝が味のアクセントになっています。 お寿司屋さんでは高くてなかなか頼めない赤貝を、大胆にパクリ!
肉厚でコリコリ、甘味がスゴイ!
これを食べるだけでも、名取市サイクリングターミナルに来た甲斐がありました。
閖上は赤貝の生息に適した土壌で、味のみならず、身の厚さも自慢なんだそう。
閖上の魚介類をいろいろ楽しみたいなら、「海鮮ちらし (あら汁つきで2,200円)」もおすすめ。
大トロ、白身、ズワイガニ、生うにのほか、赤貝はもちろん、こちらも名産のホッキ貝がのっています。
もし赤貝が食べられなかったら、「ホッキ飯定食 (あら汁つきで1,680円)」もおいしいそうですよ。
また夏にはしゃこ飯、秋にははらこ飯が美味です! | ||
もっともっと閖上の海産物を楽しみたいなら、日曜・祝日が狙い目。
6時から9時まで閖上広浦駐車場(サイクリングターミナルの向い)で「ゆりあげ港朝市」が開催されます。
土曜日からターミナルに泊まって、日曜日にこの朝市を見るのも楽しいプランになりそうですね。
[右] 朝市では焼きたての笹かまぼこも食べられます。朝ごはんの前にお腹いっぱいになっちゃいそう。 [ともに写真提供: 名取市C.T.] |
お腹がいっぱいになったところで、肝心の熊野三社めぐりと行きましょう!
おっとその前に、この地に熊野三社を導いたキーパーソンゆかりの地へ向かいます。
浜や を出て西の方角へ行くと、運河が見えてきました。
貞山運河といって、約29kmの国内最長の運河です。
伊達正宗の命によって掘り始められました。
その運河にかかる開運橋を渡り、西へどんどん進みます。
やがて到着したところは、 「 名取老女の墓 」。
彼女が熱心に熊野詣をしたお陰で、名取に熊野三社ができたという言い伝えがあります。 だから、名取熊野三社めぐりをする前に、ぜひ訪ねておきたかったのです。
でも、ネットなどで見た写真と比べて、かなり寂しい雰囲気。お供えしてあるワラジも朽ちてボロボロです。
近くにいらっしゃった地元の方に聞いても、熊野三社には興味がないとのお返事。ちょっと先行き不安。
さらに西へ進み、名取駅の1本東側の道を南下します。
ここで見たかったのは、
「 衣笠の松 」。
樹齢300年以上の大きな松といいますが…。
実際見ると、おっきーーーいぃ!
こちらはネットで見た以上の迫力。
自立するのが無理なのか、あちこちに支えがあって、表面も薬のようなものが塗られています。
まるで作りモノのようですが、青々とした松の葉が出ているのが生きている証拠。これは一見の価値がありました。