JCA top
トップイメージ
フリーライターの 詳細へ土肥 志穂詳細へサイクリング ターミナル に滞在し、おすすめポイントや周辺サイクリングコースを紹介します!

つまみ食いが楽しい阿蘇神社門前町と内牧温泉

お腹がいっぱいになったところで、カロリー消費のサイクリングへ再出発。

門前町を進んで、田園風景を抜け、内牧(うちのまき) 温泉を目指します。

カルデラに広がる田園風景は、これまた違った風景です。 目の前には上部をスッパリ切り取られたような外輪山が、後ろを振り返ると阿蘇五岳が見えます。

まだ田植えが始まってない時期でしたが、これが5月以降になると、また青々とした美しい景色になるんでしょうね。

阿蘇は「ASO田園空間博物館」、略して「ASO田空(でんくう)」といって、阿蘇地区全体が博物館となっています。

まっすぐな農免道路を進むと、国道212号線に行き着きました。そこからさらに北上すると、「はな阿蘇美(あそび)」 というローズガーデンが現われます。その前を通って、回り込むように左折すると、「 詳細へ福の神地蔵 」が見えてきました。

この福の神地蔵は、近くの地中から掘り出されたお地蔵様なんですが、手に持っているのが昔の富くじで、「宝くじが当たる」とウワサされています。

あぁ、ありがたや、ありがたや。
どーかよろしくお願いします。
ブツブツブツ…。合掌。

お地蔵様の横には長い階段があり、上には内牧城主であった加藤右馬允可重(かとううまのじょうよししげ) の墓がありました。

どちらも地元の人に愛されている場所のようで、手入れがよく行き届いているのが印象的。大きな神社仏閣より親近感が沸きます。

福の神地蔵をあとにし、一度来た道へ戻ったら、内牧温泉の中心部へ向かいます。

内牧温泉は地元の人に親しまれている8軒の町湯が魅力なのですが、サイクリングの途中なのでひとっ風呂ともいかず、 足湯が楽しめる「 詳細へ 蘇山郷 」という旅館を訪ねてみました。

蘇山郷の入口には「与謝野鉄幹・晶子ゆかりの宿」と書いてあります。

ここ内牧温泉は多くの文人が滞在していて、夏目漱石や松尾芭蕉、そして与謝野夫妻もひいきにしていました。

「蘇山郷」には実際に2人が宿泊した部屋が残っています。その蘇山郷の入口脇に、無料の足湯が設置されています。

フロントに声を掛け、さっそく脚をつけてひと息。

大木がくり抜いてある、めずらしい足湯でした。

つかの間の温泉体験をしたら、内牧温泉でも食べますよ! 「くいしんぼ・その3」です。

目指すは「 詳細へ菓舗よしなみ 」。

こちらでぜひ食べてみたいと思ったのは、熊本名産のトマト「桃太郎」を使った「トマトロール(1切れ/200円)」。さっそく店内に入り、 ショーケースをのぞいてみると、たくさんロールケーキが並んでいるではないですか!

しかも、変わったロールケーキばかり。たとえば阿蘇の牛乳を使った「モーモーロール(200円)」とか、「ごまロール(200円)」、 「くりロール(200円)」などなど。購入したら店内隅にあるテーブルで食べてもいいということで、さっそく「いただきまーす!」。

まずはトマトロールから。少し甘酸っぱくて、サッパリしてておいしい! でも食べただけでは何がどうなっているのかわからないので、 店主にお話を聞きます。そこでわかりました。ここに並んだロールケーキは奥が深いこと、深いこと!

3年ほど前、町おこしのために「阿蘇名産のトマトとブルーベリーを使って何か作ろう」というプロジェクトが始動。 そこで菓舗よしなみは「じゃあ、トマトで」と、なぜかブルーベリーではなくトマトを選択したのです。

「それはなぜですか」と聞くと、「何かおもしろいことをしたかったから」と店主。もともとチャレンジャーなのです。

試行錯誤を繰り返し、トマトを20時間煮込んでペースト状にし、ロールケーキの材料として使うことに成功しました。 トマトロール1カットに、なんとトマト2個分のうまみが凝縮されているんだそうです!

そして見逃してはならない「モーモーロール」の黒い模様。もちろんこれは牛柄を模しているんですが、この黒い部分は黒米なんだそうです。 シュー生地に黒米で模様を作って、ロールケーキに巻いてあります。

また「阿蘇まるごと苺ロール(250円)」は、米100%の粉を使って生地を焼き上げています。これはビックリ。 小麦粉よりもパサッとしていますが、舌触りが「かるかん饅頭 (鹿児島の銘菓)」に似ています。かるかん好きにはたまらない!

このほかにも米粉でシュークリームも作ったそうで、店主のチャレンジを聞いているうち、話がどんどん盛り上がっていきます。
そして、誰も注文しなかった「高菜ロール」を店主に勧められ、みんなで分けて食べてみると、これが「うまい!」。 ほんのり塩味で、これまたサッパリしていて、イケるんです。

「人がやらないことをしたい」という店主の飽くなき努力に脱帽。
くいしんぼサイクリングのシメに、貴重な味と巡り会うことができました。

あー、満足!

ルートは平坦でまったく負担を感じないサイクリングだったし、その上おいしいものをいっぱい食べられて…。 その夜は阿蘇駅の近くに宿泊し、次の日に待ち受ける阿蘇山ヒルクライムに備えるのでした。

今日のカロリーを消費するためにも、頑張らなければ!
宮地から内牧温泉まで14kmちょっとしか走ってないんですよね…。

いざ、阿蘇山火口を目指して。そこに豪快パノラマビューが待っていた!

次の日…。
チュンチュンとスズメが鳴くさわやかな朝!…とまではいきませんでしたが、雨の予報もなんとか持ちこたえてくれて、無事に阿蘇山へ上れそう。

ホテルのロビーで確認すると、火口のガスも大丈夫とのこと。阿蘇山は火山ガスの濃度が高いと、火口付近への進入を規制されてしまいます。

気温がもともと低い日でしたが、山頂に上るとさらに冷えるのもあるし、この日は完全に冬の服装。

もし夏に上るとしても山頂は寒く、帰りの下りもあるので、ウィンドブレーカーは必携です!

2日目・彼氏も満足、阿蘇山ヒルクライム

スタートは阿蘇駅。「あそ1962」を阿蘇駅で降りて走りだす場合も、ここがスタートになります。

すぐ近くに「ASO田園空間博物館」の総合案内所があるので、何かと利用するといいでしょう。観光パンフレットも置いてありますし、 特産売場や休憩スペースもあります。私も阿蘇山の地図をもらいに行きました。
ただ、あまり詳しい地図ではなかったのが残念。

では、気合い入れてスタートしましょう!

阿蘇駅を背にしてまっすぐ進みます。
走るのは阿蘇パノラマライン。基本的に道は1本なので、迷うことはありません。

その後、またしばらく林道になりますが、すぐに大パノラマが広がります。

何コレ~!

見渡す限りの牧草地、そして阿蘇五岳。
そう! 阿蘇山は牧草地が多いので、視界がとても開けているんです。その証拠に「牛馬優先」という看板をあちこちに見かけます。

通常「ヒルクライム」といえば、林道を走る暗~いイメージがありますが、ここ阿蘇山は4、5km進めば下界を臨める大パノラマビューが続きます。

しかも、斜度はそれほどキツくありません。4%くらいかな? だから、彼女を連れて行っても喜んでもらえそう!  まぁ、ずっと上るので疲れることは疲れますが、前日にあのサイクリストが言っていた通り。「ゆっくり上れば絶対上れますよ」というその言葉!

また、それだけではありません。眼下には世界一のカルデラ。さらにその先には外輪山。お鍋の中心にいて、鍋底と鍋ブチを見ている感じです。
そして、モクモクと上る火口の煙。あぁ~、ゆでられちゃう~(笑)。