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フリーライターの 詳細へ土肥 志穂詳細へサイクリング ターミナル に滞在し、おすすめポイントや周辺サイクリングコースを紹介します!

日本一長い吹上浜の脇を、マァァーーースグ走る超快適自転車道

宿に戻ったら、先述の通り「ゆうらく」の天然温泉を約2時間楽しみ、待ちに待った夕食!

「るぴなす」のオススメを聞いて「小泉御膳」と「づくら定食」をオーダーしました。

「小泉御膳」はその名前から想像つく通り、小泉純一郎氏にちなんだメニューです。

実は小泉元総理の父・純也氏はここ加世田の出身。

小泉元総理が 詳細へ このターミナル に来訪、召し上がられたメニューが「小泉御膳」としてリストに加わったといいます。

茶美豚 (チャーミートン : お茶の成分カテキンとさつまいもで育った鹿児島のブランド豚)、季節の野菜入りさつまあげ、じゃこおろし、 らっきょうのスライスなど、鹿児島名産のものばかりが並ぶ「小泉御膳」。

特に「らっきょう」は、砂地を生かしたこの辺りの特産物。

甘酢漬け以外のらっきょうは初めて食べましたが、酢味噌がかかったスライスは甘酢漬けよりおいしいかも!

地元の人はてんぷらやサラダなどにして食べるんだそう。

今回の取材をお世話してくださった南さつま市役所の白窪さんによると、「スライスしたらっきょうとシーチキン、 マヨネーズを合えて食べたらおいしいですよ。子どもたちも取り合って食べる」とのこと。

やはり採れたての柔らかいものがベスト。
らっきょうの収穫は5月です。

そして、その名前からまったく想像ができない「づくら定食」。

「づくら」とはボラの稚魚で、昔はこの辺りでも「づくら料理」を出す食堂が軒を連ねていました。 づくらといえば最近では、イカ釣りの餌になるのが関の山。それを「懐かしい」ということで復活させました。

話だけ聞いたのでは想像がつかないのでオーダーしてみると、薄く切ったもの (背ごしにしたもの)が出てきました。

焼き魚か煮魚が出てくるような気がしていたのですが、お刺身とは!?
これも酢味噌でいただきます。

この地域はどうやら、酢味噌で食べることが多いんですね。

お腹もいっぱいになり、明日のサイクリングの準備。
サイクリング倶楽部の方が、明日もお付き合いいただけるとのこと。

でもテレビを見ると、明日は春一番の予報。

春一番といえば強い南風。
明日は南に向かうコースなんですけど…。

2日目・南さつま海道八景と焼酎の故郷を訪ねて

いざ、春一番の中を南へ! おいしいお魚料理を目指して!

次の日…。

当たってほしくない天気予報が大当たり。心配されていた雨は回避できそうですが、風がっ! もう、強風どころか豪風です。

少々気を重くしながら、まずは「 詳細へさんぱる 」近くの「 詳細へ万世(ばんせい) 特攻平和祈念館 」へ。

第二次世界大戦時の特攻 =特別攻撃隊の歴史は、みなさんもご存知のことと思いますが、 その本土最南端の出撃地として有名なのが知覧飛行場。

しかし、その約15km西に万世飛行場という幻の特攻基地が存在しました。

終戦間際の約4か月しか使われず、「息子は知覧から飛んだと思っていたが、実は万世だった」と、のちにわかった遺族もいたほどでした。

この祈念館は、この飛行場から飛び立った200余人の特攻隊員を弔い、平和の尊さを後世に伝えていく目的で建てられました。

敷地に入って目にするのは、「よろずよに」と書かれた慰霊碑です。

「万世」を「よろずよ」と読んでいるんですが、その文字を見ていると、 「万世の空の下、若い特攻隊員は何を考えながら出撃していったのか」という思いが浮かびます。
下は17歳、ほとんどが20歳前後の特攻隊員だったといいますから。

祈念館に入ると、大きな零式三座水上偵察機が目に飛び込みます。実際に第二次大戦で使用され、 1992年に吹上浜沖から引き上げられました。

そして目に焼きつくのが、「子犬を抱く少年兵」の写真。当時17歳だった少年は、この次の日に万世飛行場から飛び立ったと言われているそうです。

2階には数々の遺品、遺書、血書が展示されています。どれも愛する人のために残す言葉。
胸が締めつけられます。

ターミナルに宿泊されたら、ぜひ見学してみてください。世界平和の念だけでなく、きっと何かを得られるはずです。 急に親孝行がしたくなるかも。

28、29日に開催されるMTBイベントでは、祈念館の入場券が参加者に配られるそうです。

自転車の楽しさだけでなく、この悲しい歴史も伝えていくのが、南さつま市の役目なんですね。

見学を終えて「さんぱる」にもどると、昨日ご一緒してくれた大江さんと栫さん、 そして本日のニューフェイス窪哲男さんがお待ちでした。

窪さんは倶楽部イチの健脚らしく、月間走行距離約400km、1年に約5,000kmは走るという元気な75歳! ついて行けるかしら〜。

さんぱるをスタートして、予定通り南下します。
予定通り春一番の吹く中を!

すぐに見えてきたのがずらりと並んだ石燈籠。
特攻で亡くなった方の慰霊です。

そして「営門」と書かれた門。ここが万世飛行場の門でした。

2日目に行くコースは、サイクリングコースではないのですが、交通量も少なく、走りやすい道です。

らっきょ畑が広がり、のんびりとした雰囲気。
目の前には常に野間岳が見えます。

しかし何度も言いますが、風がっ!

7kmぐらいして右手に見えてきたのは、 詳細へ大浦特産品直売所「ふるさと館」 。休憩スポットとして最適です。

こちらでぜひ見ておきたいのが、座礁くじら記念碑。

2002年にここの沖で14頭のマッコウクジラが座礁し、地元の人が11日間も救助に奮闘したことを記念して建てられました。

へぇ〜、マッコウクジラってこんな口してるんだぁ〜。

模型の長さは10メートル。
実際のマッコウクジラは11〜16mだったそうです。

向かい風が横風に変わったのは、国道226号線大浦干拓区間。元禄時代に海だった場所を埋め立て、農地にしたところです。
風をさえぎるものがない干拓地の上に、砂混じりの田んぼからは、ジャリジャリとした風が横から吹きつけます。ヒョェ〜。

普段はこんなことないみたいですが、なんせ春一番。みんな止まりそうになりながら、ペダルを回します。

そんな中、淡々と先頭を引くのが窪さん。
さすが、年間5,000kmサイクリスト!

国道226号線が上村という地区に入るころ、目の前にかなりの上り坂が見えてきます。 倶楽部のみなさんはいつもその上りを回避し、右の海岸線沿いを行くんだそう。今回もそれにならってう回路へ。

やがて到着したのが、石垣群の里「大当(おうとう)集落」。100万個に及ぶ天然石を積み上げた「石垣」が続く地域です。

南さつま市笠沙町には、こうした石垣群が5か所残っています。こういう低い石垣を見ると、日本の南という感じがしますね。

迷路のように入り組んだ小道を上っていくと、大当海岸沖の神ノ島、立羽島がキレイに見えるそうですよ。

再び海岸線を行き、次に目指したのは「南さつま海道八景」にも選ばれている高崎山(こうさきやま)。
「南さつま海道八景」とは、 住民投票で決まった「国道226号」=「南さつま海道」沿いの絶景ポイント。南さつま市街から南下して最初に登場するのが、この高崎山です。

住民から絶賛された眺めとは、高崎山から見る薩摩半島と崎ノ山一帯。昔から眺めがよかった場所なので、 江戸時代には船の往来の見張り番がいたり、定置網に魚がかかったことを知らせる詰所もあったりしたとか。定置網は今でも見ることができます。

確かに絶景♪

見通しが良ければ「桜島も見えるんですよ」と窪さん。それは残念。鹿児島に来たのに、まだ桜島を見ていません。

こうした海道八景は、そのポイントに看板が立っているのですぐにわかります。

看板には緑色の八角形のマークに、「海道八景」という文字と数字が書かれ、そこがどの名所であるか示してあるのです。 また同時に設置してある「南さつま海道」と書かれた青い看板にも注目。

その看板に、たとえば「# 2200」と書いてあれば、南さつま市役所から22kmという意味。走行距離の目安になります。 さらに「とるぱ226」というのは、「国道226号線にある写真を撮るパーキング」の意味。車が駐車できるほどのスペースがあるので、 サイクリストの休憩ポイントとしても活用できますね。

海道八景の2番目に当たるのが、谷山から見る段々畑。

まるで大きな洗濯板のよう。
耕地の少ない地域で作物を確保しようとした、先人たちの努力の結晶です。

それにしても1枚1枚が小さな畑だこと!
本当に、斜面にしがみつくようにして横たわっています。 「上のほうなんて、どうやって農耕具を運んだんでしょうね」と、思わずつぶやいていました。
この辺りはリアス式海岸なので、海沿いは断崖絶壁。 海に向かって緩やかな平地が続く場所ではないため、このような手段を取らざるを得なかったんですね。生きていくためのパワーを感じます。


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