最後は「下りなのにペダルが重い!」という事態も起こりながら、目的地の
笠沙恵比寿 に到着!
ここでお昼をいただきます。
笠沙恵比寿は「海」にまつわる複合施設。詳細はのちほどゆっくりするとして、まずはランチ!
えびす市場内にある「すんくじら庵」でいただきます。
南さつま市役所で「ここでは、ぜひ『おまかせ定食』を」という声があったそうで、さっそく本日のおまかせ定食950円を注文。
出てきてビックリ!
お皿に山盛りのお刺身!
そしてナント、酢味噌がかけてあるのです。
またしても酢味噌。さすが鹿児島です。
鹿児島に来た雰囲気バッチリです。
さらにアラ煮もついていて、すっかりお腹いっぱい。
新鮮な魚づくしのお昼が1,000円以下で食べられるなんて幸せ。
でも、アラ煮の数が決まっているので、おすすめ定食を食べられるのは先着15人くらい。
私たちが食事をしてる間にメニュー看板が下げられていました。
まだ13時にもなってなかったのに。
大勢で行くときは、予約をしたほうがいいですね。
満腹になったところで、
笠沙恵比寿 を見学。
ここは漁業の町・笠沙の資料を展示しているだけでなく、食事、温泉、宿泊施設まで備えた複合レジャー施設です。
ただし、単に「レジャー施設」といえないのが、この笠沙恵比寿のスゴイところ。
平成2年から構想が練られていた「沿岸漁業資料館」の建設。そう聞くとみなさんも、いわゆる「資料館」が建つと思われるでしょう。
ノン、ノン。
笠沙のすごいところは「笠沙全体を博物館にしようじゃないか」と発想した点なのです。
単なる施設だけの建物ではなく、この漁師町全体を漁業の博物館ととらえ、そのために必要な施設が笠沙恵比寿となるように。 本物の笠沙を知ってもらうために。
だからここには、宿泊できる部屋や、立ち寄りも可能な温泉、地元の魚介類がいただけるレストランがあるワケです。
笠沙恵比寿のデザインは、JR九州のデザインも手がけた水戸岡鋭治氏が担当。 九州に夢のような列車を走らせている水戸岡氏のデザインなので、それはそれはワクワクするような建物になっています。
こちらでは、海や陸の体験プログラムも用意されており、まさにフィールドミュージアムを満喫できます。
考えてみると、サイクリストはいつどんなところでも、フィールドミュージアムを楽しんでいるんですね。 だから笠沙恵比寿のコンセプトに深く納得。
ところで、なぜ「恵比寿」とついているのでしょう。
マネージャーの仮山常雄さんにお聞きしたところ、漁業の町・笠沙の、恵比寿信仰に由来するそうです。
「漁に出る前は、必ず神棚の恵比寿さんにお参りをします。港々には恵比寿さんのほこらがあります。 うちの父親なんて、焼酎を飲むときには、必ず1、2滴テーブルにたらして『エベッサァー』と言います。この辺りは、恵比寿信仰が強いんです」
さすが漁業の神様。
単なる七福神の1人ではないんですね。
風が強くて大変だったけど、楽しかったサイクリング。
倶楽部のみなさんとは、ここでお別れです。
最後に、「ツール・ド・南さつま」で折り返し地点となる、後浜(うしろはま) へ行くことに。
ツール・ド・南さつまとは、毎年9月に開催されているサイクリング大会。100kmと60kmのクラスがあり、いずれにしても、この後浜が折り返しになります。
到着するやいなや、サイクリング倶楽部のみなさんと、南さつま市役所の白窪さんがアングリッ。
「ここは冬の日本海?」と見まごうばかりの大荒れ。
波がザブン、ザブンと陸に打ち付けています。もちろん春一番の影響です。
「いつもはおだやかで、熱帯魚が見られたりするのどかな場所なんですけど…。 ツール・ド・南さつまのときも、みんなここで寝っ転がって休憩して、若い子なんか海に飛び込んだりしてるんです」と白窪さん。
その穏やかなときの後浜を想像しながら、みんなで記念撮影。お世話になりましたっ!
健脚さんと焼酎好きの方のために、この先の観光スポットをお伝えしておきましょう。まず、後浜からすぐのところに入口がある、風力発電機までの上り。
野間半島の風を利用した発電機がズラリと並んでおり、その姿は圧巻です。
1基の高さは45mもあって、それが10基も連なっているんですから!
そして先ほど、「すんくじら庵」というところで食事をしましたが、焼酎にも「薩摩すんくじら」という銘柄があります。
「すんくじら」はクジラの名前かと思っていたら、鹿児島弁で「はしっこ」の意味なんだそうです。
日本のはしっこ=鹿児島。
その「薩摩すんくじら」という焼酎を作っているのが
杜氏の里笠沙 。
こちらは、焼酎づくり伝承展示館も兼ねていて、本格焼酎のできるまでを見学できます。それを手掛けるのは黒瀬杜氏と呼ばれる方々。 九州一円、さらに全国の焼酎作りは、この笠沙・黒瀬地方の出身杜氏が出向いて確立されていったんだそう。まさにここは、「杜氏の里」なのです。
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ところで「薩摩すんくじら」ですが、お土産に買って帰り、飲んでみました。
辛口でキリリとした飲みごたえ。それでいて、アフターにほんのり薩摩イモの風味が上がってくるんです。さすが薩摩焼酎。 ここでしか買えないそうですから、いいモノをお土産にしました。
また、薩摩すんくじらの一升瓶モノはかなり貴重なんだそう。年に1度の販売日には、杜氏の里笠沙の前に、車の行列ができるとか。
さらに貴重なのは、同メーカーの「一どん (いっどん)」。
「口当たりがよく、まろやかな風味は女性にも好評」…とパンフレットには書いてありますが、地元の人でもめったに手に入らないそうです。
さてさて、これで
南さつま市サイクリングターミナル の旅はおしまい。
今回もたくさんの出会いがあり、発見がありました。なんと言っても、「サイクルシティ」っていうところが嬉しいですよね!
サイクリストでこの街を盛り上げていきましょう。
ところで今回、ALPSLABの地図をルート再生してみられた方。途中でコースが行ったり来たりしたことに気がつかれたハズ。
実は今月の取材に、GPSを持って行ったのです!
G3 GPSセンサーW.I.N.Dが標準装備されたPolar RS800CX MULTI (77,700円)。本体は腕時計タイプなのでランニングや普段でも使えますね。
問い合わせ先/ キヤノントレーディング株式会社 お客様相談センター[TEL]0570-01-0111
このサイクリングの相棒になってくれたのは、Polarの最新モデル「RS800 CX」。
Polarといえば、
心拍はもちろん、最近ではサイクリングのスピードや距離、走行時間なども計れることで知られているハズ。
しかし今春、GPSともリンクしたモデル「RS800 CX」が発売になったのです。
これのスゴイところは、パフォーマンスデータとルートをリンクさせることが可能になった点。
わかりやすく説明すると…。
まず、G3 GPSセンサーW.I.N.Dという専用のGPSをつけて走ります。
[上] GPSでキャッチした走行ルートを、Google Earthで表示。こちらは1日目に走ったルート。
[下] こちらは2日目に走ったルート。大浦干拓のところで横風になった理由が、この地図でわかりました。西に進んでいたんですね。
そのデータをパソコンに転送すると、走ったコースがGoogle Earth上に自動で表示されるのです!
そしてナント、心拍が上がった個所は赤く表示されるんです! 狙ったレースなどあれば、苦手箇所もこれで克服!?
とにかく私がビックリしたのは、私がウロウロした場所まで、GPSがバッチリ拾っていたこと。
ALPSLABのルート再生で迷走したようになっていたのは、私のそういう行動までGPSがキャッチしていたからなのです。
このことでわかるように、走ったルートはGoogle Earthだけでなく、ほかの地図ソフトに反映できます。
全国を走った記録が、こうして残っていくといいですね。
これからも、サイクリングを楽しくしていくツールがあれば、紹介していこうと思います!