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今月のメインイベント! 木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号」へ

さて、「 詳細へ奥出雲おろちループ 」 を上ったら、待ちに待った本日のメインイベント!

木次線を走るトロッコ列車「奥出雲おろち号」に乗るのです!!!

木次線は単線で、日に3往復、道の駅近くの三井野原駅を通ります。

そして金土日祝を中心として(夏休み、紅葉期間は毎日)1日1往復、ここをトロッコ列車が走るのです!

テレビの旅番組で見る憧れのトロッコ列車。

これに乗るために、急ぎ足で来ました!
もちろん輪行袋持参。

三井野原駅出発は12時52分。

ビックリするほど小さな無人駅。
でも、中はなんとカラフルな!

地元のデザイン学校の生徒さんたちがペイントしたんだそう。まるでヨーロッパにある駅のようです。
なんだか嬉しくなっちゃうカラーリング。

いよいよトロッコ列車が到着。

1組の線路が延々と続く左手に注目していたら…。
あらら、トロッコ列車は右手からやってきました!

ディーゼル機関車の力強い音。自然とワクワクしてきます。

このトロッコ列車は3両編成になっています。

一番前がディーゼル機関車DE15。次に普通車両スハフ12系客車があり、最後にスハフ13系客車のトロッコ列車があります。

トロッコ列車は座席指定予約が必要。でも、普通車両のほうは予約不要だそうで、雨や寒くてトロッコ列車に乗れない日も、この普通車両を使うそうです。

トロッコ列車に乗り込むと、輪行袋を持った私のところへ、車掌さんが飛んできました。 「自転車はこちらへお願いします!」と普通車両へ案内されます。

トロッコ列車のほうは狭いので、普通車両の前後部にあるスペースへ、自転車を立てて置きます。

次に私へ話しかけてきたのは、料理人の白いユニフォームを着た男性。手には白いビニール袋。

この方、私たちにお弁当を届けてくれたのでした!
あらかじめ予約をしておいた「仁多牛べんとう」の配達。

旧仁多町は畜産も有名。
さらにこのお弁当には、地元のブランド米「仁多米」も使用されています。

仁多米がブランド米として独立したのは10年前だそうですが、昨年開催された全国米・食味分析鑑定コンクールで金賞を受賞した実力の持ち主。 昼夜の寒暖差が大きいのと、ミネラルの豊富な水がおいしいお米を作るのだそうです。

ちなみに仁多牛べんとうの予約は、乗車前日まで。1つ1,000円です。
予約・問い合わせは「竹葉」(TEL : 0854-54-0213)まで。

無事にお弁当を受け取ると、今度は「みなさん目をつぶってください」という車内アナウンス。 自分の席に到達できないまま、窓のそばで目を閉じます。

そして「目を開けてください!」の声で目を開けると…。

わぁ、さっき上から見ていた三井野大橋が視線の高さに!!

この紅葉の時期は、トロッコ列車の予約はいっぱいと聞きましたが、それも納得。

この赤い橋が、美しい紅葉に包まれているのを想像したら…。それはそれは絶景でしょう!

この景色を見るために、トロッコ列車は速度をゆるめてくれるという粋な計らい。

赤い橋やループ橋を見終えたら、ようやく落ち着いて自分の席へ。ここで初めて車掌さんが、「切符を拝見します」と。

そうですよね〜、無人駅から乗ってきたので、車内で検札があるはずです。でも車掌さん、景色に見とれている私に話しかけづらかったよう。

見どころ区間が終わってからの検札。
観光客への御配慮、ありがとうございます。

トロッコ列車には窓がなく、心地よい風が入ってきます。山間を抜けるので、木や草に手が届きそう。

座席やテーブルはすべて木製で、いい味が出ています。トンネルを抜けるときは、レトロな車内灯とオロチのイルミネーションが光ります。

もう、乗っているだけでワクワク!

ところでせっかく届けてもらったお弁当ですが、まだ食べるわけにはいきません。しばらくすると、おろち号名物「三段式スイッチバック」の登場です。

車内では引き続きアナウンスが続きます。
「窓の下を見ると2段目、1段目の線路が見えます」

そうなんです!
ここ木次線の三井野原駅〜出雲坂根駅は、列車が2回方向転換する三段式スイッチバックが見られるのです。 つまり、線路が三段に折り重なっているワケで、3段目にいれば、2段目、1段目の線路が見えるということ。

出雲坂根駅に到着する前、アナウンスに従って列車後方の線路を見ると、ゆっくりと切り替えが始まります。 線路の切り替えが完了すると、おろち号は前後を逆にして進み始めました。今度は機関車が2両を押すという形ですね。

三井野原駅から20分が経ち、出雲坂根駅に到着。
行きに延命水を汲んだ場所の最寄り駅です。ここでは普通列車とすれ違うために、10分停車。

車外に出てもいいとのことで、駅のホームにもあるという延命水を汲みに出ます。ちょうどボトルが空っぽになっていたので助かる〜!
延命水のことを知っている乗客は、大きなペットボトルを持って水を汲んでいましたよ。ご婦人方とちょっとした水汲みバトル!?

普通列車が無事に到着すると、今度は記念撮影合戦。
みんな場所を奪い合っておろち号と記念撮影。私も1枚パチリ!

ちなみに普通列車はワンマン運転の1両編成。これはこれで味があります。
トロッコ列車に乗れないときは、普通列車もオススメです。

また駅のホームで売られる焼き鳥も名物なんだそう。駅に列車が到着するといいにおいが漂ってくるので、どこで売っているかはすぐにわかります。

ところで何か忘れていませんか?

そうなんです、乗車してすぐに受け取った仁多牛べんとう。
三井野原駅から見どころ満載で、まったく手をつけられませんでした。

出雲坂根駅を出るとどうやら落ち着きそうなので、ようやく蓋を取ります。まぁ逆にいうと、三井野原〜出雲坂根間が木次線のハイライトなんですよね。

さぁ、お弁当の蓋を開けてビックリ。牛肉のなんと多いこと!
しっかりとした味付けで、ご飯も進みます。 また一緒に煮込んである玉ねぎがトロットロ! こってり、ボリューム満点のいわゆる牛丼弁当でした。

このお弁当を届けてくれたお父さん、ありがとう!

出雲坂根駅を出て約20分後、13時43分に出雲横田駅に到着。
ここでトロッコ列車を降ります。

先述の通り、 詳細へ 奥出雲町サイクリングターミナル は木次線の出雲三成駅至近にあります。このまま列車に乗っていけば、20分後にはターミナルに到着。 しかし…、出雲横田駅以北のチケットが取れなかったのです(泣)。

何度も書きましたが、紅葉時期はトロッコ列車が大人気。「年内は予約無理かも…」と言われていましたが、 なんとか三井野原→出雲横田の席が確保できたというワケです。取材日程が直前に決まりましたからね。

みなさんが行かれるときは、ぜひ出雲三成駅までトロッコ列車を楽しんでください。 でも、同じくチケットが取れにくいようでしたら、出雲横田駅下車でもノープロブレム!

出雲横田駅横には雲州そろばんの歴史や技術がわかる伝統産業会館がありますし、なんと言っても、出雲大社を彷彿とさせる駅舎が魅力的!

ひとまずこれで今回のサイクリングはほぼ終了なのですが、ここでみなさんに、トロッコ列車&サイクリングのアドバイス。

もし可能ならば、行きにトロッコ列車、帰りにサイクリングをオススメします。

なぜなら、奥出雲おろちループを下ってこれるから!
トロッコ列車で三井野原駅まで輪行して上り、 おろちループを一気にダウンヒル。あとは下り基調をサイクリングターミナルまで戻るのです。まぁ、下り基調とは言え、アップダウンはありますが…。

この旅の方法は、ターミナルのレンタサイクルでも実現できます。2日前までにサイクリングターミナルに予約を入れておくと、なんと、 レンタル自転車を道の駅・奥出雲おろちループまで運んでおいてくれるのです!
レンタル料金は保険料込みで1,000円。 このほか、自分で三井野原までのトロッコ列車のチケットを予約・購入する必要があります。 でも、これは便利! 輪行する必要なく、トロッコ列車とサイクリングの両方を楽しめるのです。

しかし、なぜこのルートを使わなかったのか?
やはり直前の予約で、 出雲三成駅→三井野原駅のチケットが取れなかったことがひとつ。もうひとつは、東京からのアクセスの場合、朝一番で出雲空港へ飛んでも、 出雲空港到着が9時40分(2008年10月現在)なので、出雲三成駅10時37分発のトロッコ列車に間に合わないのです。 出雲空港〜ターミナルは車で50分ほど。手荷物受け取りや自転車の準備を考えると、かなり厳しい!!
ターミナルに前泊しなければ、実現できそうにありません。

とは言え、今回紹介した方法を使えば、トロッコ列車&サイクリングを楽しめます。せっかくなので、おろちループを上ってみるのもいいでしょう!?


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