浦佐駅に突き当ったら右手へ進み、駅の反対側を目指します。
線路を渡っていると…、ムムム!
視線の先に気になるお店。土間にワラや竹細工の商品がズラリと並んでいます。
「牛木嘉男」という表札の近くに、「御用の方はベルを押してください」の文字。
遠慮なく押してみると、しばらくたって店の裏から男性が出てきました。
そう! この方が牛木嘉男さん。
嘉男さんの話によると、このお店はもともと「牛木菊平商店」という食料品店でした。
しかし近所にスーパーができ、食料品店は畳んで、現在店先に並んでいるような、ワラや竹製品を扱う店になったんだそう。
頭につける笠は、夏の時期は日よけに。風が適度に抜けるので涼しいんだそう。今でもかぶっている人を、町で多く見かけました。
私は、3,000円でほうきを購入。
以前買ったモノが短くなってきたので買い替えです。細かいゴミまでしっかり取れるので、2本目が欲しいと思っていたんですよね。
嘉男さんに別れを告げ、いよいよ見えてくるのは
「 毘沙門堂 」。
普光寺(ふこうじ)の境内にあります。
この毘沙門堂は、807年に坂上田村麻呂が建立。
それほど大きなお堂ではありませんが、全国にその名を知らしめているお祭りがあります。
それが、3月3日におこなわれる「浦佐裸押合い大祭」。国指定無形民俗文化財でもあり、日本三大奇祭ともいわれているんだそう。
その名の通り、上半身裸の男性が押し合いへし合いするお祭りなんですが、1年かけて準備が進められ、毎年12万人も集まる大イベントといいます。
別名ローソク祭りともいわれていて、重さ20〜60kgもある大ローソクも見ものです。
そういえば、浦佐駅を降りたとき、構内に大きなローソクの模型がたくさん飾ってありました。
あれが、このお祭りの象徴だったんですね。
「12万人も集まるお祭りなんて、どんなお祭りなんだろー」と思いをはせながら毘沙門天にお参り。
普光寺の前には、盆踊りのやぐらが組んでありました。
そして、この特集おなじみ。顔入れ看板を発見!
大ローソクを抱えた、威勢のいい祭り男の看板。
妙にしっくりくるのが怖い…。
特集イチのベストショットになりました。
来た道を戻り、予定では「 池田記念美術館 」に寄るハズでしたが、ちょっとお腹が空いたので、行きに飛ばした「 アグリコア越後ワイナリー 」へ。
「ワイナリー」というぐらいですから、ここでワインを作っています。
裏にはブドウ畑も広がっていて、さながらヨーロッパの雰囲気。
「雪中貯蔵庫」といって、雪の冷気を利用して醸成させるのが特長なんだそうです。
ワイナリーに入ると、貯蔵庫の中の雪山が見学できます。
試飲や購入もできますが、サイクリング中なので見学のみ。お目当ては、併設されているワインレストラン・葡萄の花です。
こちらでは、地元の名産を使った欧風田舎料理が楽しめます。手軽に食べられてエネルギーにもなる、パスタとピザをいただきました!
どちらもおしゃれな感じで美味。
それともうひとつ、「地鮎のフリット・たで酢ソース」というのも気になってオーダーしました。
水無川は鮎が獲れるそうで、地元の鮎を生きたまま揚げたフリットといいます。
こちらもサクサクでおいしい〜。
[左から順に] 地元の鮎を生きたまま揚げたという「地鮎のフリット・たで酢ソース」(840円)。 「生ハムとキャベツのペペロンチーノ」(1,260円)。生ハムの塩味とキャベツの甘味がベストマッチ! |
お腹が満たされたところで、少しだけ浦佐駅側に戻って「 池田記念美術館 」へ。
ここで、あの「BASEBALL MAGAZINE」と書かれた建物のナゾが解けます。
この池田記念美術館、ベースボールマガジン社の創設者、池田恒雄氏の所蔵品を主に展示してあるんだそうです。
池田氏は浦佐出身。
ナゾの建物はベースボールマガジン社新潟支社でした!
さすが「ベーマガ」。
美術館の展示品にはベースボールマガジン創刊号や長嶋茂雄氏のサインボールなどなど、普通の美術館では見られないものがたくさん。
中でも、野球選手とサッカー選手のカードコレクションは圧巻。
懐かしい選手の顔、顔、顔…に、時間が経つのを忘れさせられました。
いろんな発見や驚きを経て、 ターミナル に
帰還。
距離は短かったけどなかなか充実していました。
こうして原稿にしてしまえばアッという間ですが、ここに書いてあることは、地元の人から教わったことばかりです。 地元の方とゆっくりお話をしながらサイクリングをすると、旅がとっても豊かになります。
ターミナルに戻ったら、お待ちかねの夕食!!
なんといっても、地元名産のお米! これを待ってました!
この日は枝豆ごはん。
わっぱに入れられていて香りも良く、大変おいしくいただきました。