外周路に出てからの目玉は、もちろん
「 土師ダム 」です。
ダムの上を走ることができるそうなので、それを楽しみにペダルを回します。
ダムへアプローチするには、外周路から少し内側へ入ることになります。
看板を目印に進むと、ありました!
「江の川(ごうのがわ) 」の看板。
このダムは江の川を堰き止めて作っているんですね。
江の川は別名「中国太郎」というそうです。
そういえば利根川は「坂東太郎」だったなぁ。
「中国地方にある長男のような川」という意味なんでしょうね。
ダムの上を無事に渡り終えて、「あとはもうターミナルに戻るだけ!」と思っていましたが、 この旅のメインイベントがまだまだ残っていました。
といっても、それは偶然の出会いでした。
まずはダムからしばらく行って、右側に出てきた古民家のような建物。
そこは「 冨士屋 」という
骨董屋さんでした。
面白そうなものが表にたくさん並んでいたので、迷わず中に入ってみます。
店の中から出てこられたのは、店主の大野恵子さん。
もう15年も前からこの地で店を構えているそうで、「主人が民家などから直接買い付けてくるので、価格がリーズナブルなんですよ」とのこと。
なるほど、この地域で使われていたような古いものが、たくさん置いてあります。ダムに沈んだ町の遺産も、この中に眠っていそうです。
そのご主人というのは、近くで新店舗を営まれていて、「2号店と言うと怒るんですよ」と恵子さん。 農機具や大型家具など、さらに昔の生活用品が揃うということですから、次の日にでも訪ねることにします。
恵子さんといろいろお話をしていたら、「コーヒーでも飲んで行きますか?」と言っていただき、遠慮せずに奥の間へ上がります。
恵子さんからもっと話を聞きたかったですし、古いものを生活に取り入れるアイディアが随所に見え、それを見てみたかった!
案の定、奥の間には恵子さんの工夫がたくさん。
欄間を使った照明、着物の帯を使ったテーブルセンター....。
コーヒーは古伊万里のそば猪口に入れられ、しかも朱塗りの丸いお盆に載せられてきました。
「丸盆」というそうで、この地方で使われていた、いわゆるお膳なのだそうです。
丸い形は独特なのだとか。
長居をしても申し訳ないので、ほどなくしておいとまをしました。 「気をつけて!」と声を掛けてくださる恵子さんに、旅の醍醐味を感じます。出会いに感謝!
またしばらく行くと、今度は花を世話しているおばあちゃんに会いました。
「こんにちは」と得意の(?)広島イントネーションで話しかけると、気さくに返事をしてくれ、話がどんどん盛り上がります。
内容は、おばあちゃんの普段の生活から、美容法まで!だって、おばあちゃんの肌がすごくキレイなんですもの!!
レモンを日本酒に漬けた手作りの化粧水を使っているそうで、「安いんよ。安い顔じゃけー、安いモンでエエんよ」と冗談を言うおばあちゃん。
話しながらお花を摘んでいたおばあちゃんは、「近くに帰るんなら、花をあげようと思うたんじゃけど」と言いますが、 サイクリングの途中でお花を持って行くことができず、残念ながら遠慮します。
でも、そういうおばあちゃんの心配りが嬉しくって。
別れ際、「思いがけず若い人と話ができてよかった」と言われ、胸がジーンとしました。 私も、「おばあちゃん、いつまでも元気でね!」と言って別れます。
町の方とのふれあいは、旅の一番のお土産です。
一期一会、合縁奇縁…。
またどこかでお会いできるといいなぁ。
さぁ、ターミナルまではもうすぐ。
最後、少し上りますが、もう終着点だと思うと元気が出ます。
赤い土師大橋が見えたら、その橋のたもとがゴール。
メーターは…、あれ? 15kmしか走ってない。
そうだ! コースはもっと西へ、八千代湖ふれあい大橋まで行くように言われていたんだった。
でも、もう日が暮れてきたし、充分堪能したのでサイクリングはおしまい。
健脚のみなさんは、さらに周回してもOKです。
私が走ったコースは、実際には10km弱しかありません。BMXコースを何周も走ったからなぁ。
サイクリングターミナル
に戻ると、向かいにある
「
土師民俗資料館 」へ。
ここはダムに沈んだ土師村の、様々な生活用具が展示されています。
敷地内には、茶室「望郷庵」、古庭園「滄浪園(そうろうえん) 」も。茶室では地元の女性会が、定期的にお茶席を開いているそうです。
古い民家もあって、その中にも昔の道具が残っており、立派な梁や間取りの面白さなど、驚くことばかりでした。
また、喉声忠左衛門をまつった喉声神社も近くにありました。忠左衛門の話が頭に入ったあとだけに、感謝の気持ちを込めてお参りしておきました。
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サイクリングのあとは、恒例の夕食タイム!
夕食はレストラン「湖畔」でいただきます。家庭的なメニューでいて、ちょっと豪華。
私、この取材を続けて気づいたのは、おみそ汁やおつゆなどのお椀物って、その土地の特徴や料理人の嗜好が顕著に出るんですね。
今回は澄まし汁にうどん、かまぼこ、三つ葉…、そしてなぜか大豆。
どこかのおみそ汁は、必ずつぶコーンが入っていたよなぁ。