「 耶馬溪サイクリングターミナル 」は、メイプル耶馬サイクリングロードの中間にあるので、北東に進む Aコース と、南西に進む Bコース があります。
どちらも11kmほどを折り返すコース。
まず1日目は、耶馬溪橋、通称オランダ橋を折り返す Aコース へ出発!
河野さんと、地元で自転車店「和光」を営む和才光博さんに案内してもらいます。
和才さんにお年を聞くと「“まだ”72歳ですよ。ワハハハハッ!」と、本当にお元気。 毎朝25kmほどは仲間たちと走っているそうで、ハワイのホノルルセンチュリーライドへは奥さんと行かれるんだとか。
耶馬溪サイクリングターミナル をスタートして1kmちょっと行くと、このサイクリングロードの名物である鉄橋が現れます。
「サイクリングロードのために鉄橋?」と思いたくなりますが、実はこのサイクリングロード、大分交通耶馬渓線の廃線を利用して作ったコースなのです。
耶馬渓線が廃線になったのは1975年。中津から山国までを結ぶ単線でした。
特にサイクリングロードから前後10km区間のほとんどは、車の入れない自転車専用道になっていて、当時の面影がしのばれます。 そしてこの鉄橋は、九州一カーブの厳しい鉄道橋でした。
鉄橋のすぐ先にはトンネル。これもこのコースが鉄道であったことを想わせます。
「卵を立てたように、下がすぼんでいる形は、このトンネルが古いということを証明しているんだよ」と和才さん。 強度を出すため、昔のトンネルは卵形をしていたのだそう。このあとも、鉄道廃線ならではの景色が出てきますよ〜。
鉄道廃線ということは、「カーブが少ない」(…と言っても、鉄橋は九州一でしたが…)、 「アップ&ダウンが少ない」というのが、なんとも走りやすい点。
しかも、川沿いのサイクリングロードと違って、山沿い、集落、田園地帯…と、さまざまな風景に出会えます。 また、山沿いやトンネルの中は日陰ができ、涼しくて気持ちいい〜。その辺が、日陰の少ない河川敷サイクリングコースと違いますね。
走っていると、鉄道専門の某テレビ番組のテーマソングが頭に流れるのは私だけ?
2つめのトンネルを過ぎ、ターミナルから3kmほど行ったところに、コースから離れる左へ上がる道があります。 小林産業という建物を過ぎて、やがて右側に見えるのが「 へ屋傳六 」。
「ここはサイクリストに優しいお土産屋さんなんですよ」と、河野さんが言います。
「へ屋傳六」は創業500年あまりの老舗食品会社。
古式菓子の「柿巻」は、干し柿の果肉だけを何層にも重ね、竹の皮とわらで包んで縄で巻いたもの。 和菓子だけでなく、漬物や釜飯の素など、お土産にピッタリなものが揃っています。
嬉しいのは、来店するとお茶のサービスと漬物の試食ができます。 「お金も払ってないのに!?」と少し恐縮してしまうほどステキなテーブルで、ほっと一息。
こちらの社長は自転車大好きだそうで、サイクリストもウェルカムなんだそうです。
手作り豆腐の「傳六庵」も併設しており、「 へ屋傳六 」でも試食・購入ができます。
河野さんのおすすめは豆乳(小・159円) と豆乳ドーナツ(5個入り・315円)。 豆乳ドーナツは豆乳とおからを50%使用しているそう。「サイクリングの補給にいいでしょ」と河野さん。
再びコースへ戻り、スタートから5.5km付近に現れるのが平田宿場です。
ここは耶馬溪線の駅舎跡。写真をよーく見ると、ほら、私たちが立っているのは改札ですよ! 今となっては懐かしい、キップを切る音が聞こえてきそうです。
向い側には駅の看板もあります。 ここ以外にも、駅だった場所はもちろんあるんですが、駅舎が残っているところはそれほど多くありません。 | |
[左] 駅舎が残る平田駅跡(平田宿場)。立っているところが、ちょうど改札だった場所。トイレもあるので休憩所としてピッタリ。 |