ここからは、これまた横浜観光のひとつである元町通りへ。
この元町通りは、「貸自転車業発祥の地」でもあるんだそうです。
1877年、石川孫右衛門という人が元町3丁目で始めたと言います。
また元町通り入口脇には、「機械製氷発祥の地」。
現在の結婚式場ができる前は、つい最近までここに製氷屋さんがありました。
氷を機械で作って売るという商売は、のちに冷蔵庫の普及にもつながるんでしょうね。
元町通りに入って行き、スターバックスの左手方向に見えるのが「ウチキパン」。
ここが日本で初のパン屋さんなんだそうです。
今でも休日には観光客でいっぱい。
地元の人にも親しまれています。
このウチキパンのところから、裏道に入って行きましょう。
見えてきたのは湧き水の施設。
フランス人アルフレッド・ジェラールさんが、ここに沸いた水を、横浜港に停泊する船に売っていたのだそうです。
現在でいうミネラルウォーターの商売が始まったということ。
このジェラールさんは、西洋瓦、レンガ工場、軍用日用品供給業、肉屋なども始めたそうで、横浜に西洋式の商売をたくさんもたらしています。
今でも湧き水が出ていますが、残念ながら飲料はできないそう。当時は良質な水が採取できて、それで製氷業も発展したんだと思います。
どんどん奥へ進んでいくと、公園の中にあるのが「塗装発祥の地」の記念碑。
この公園は穴場で、涼を取るのにもピッタリです。
公園の上は元町プールもあり、夏になると誰でも泳ぐことができます。
森に囲まれたプールなので、これがまた気持ちいい!
その元町プールの管理棟は、ジェラールさんのレンガ工場があった場所。
今でも彼が作った瓦が使われているそうです。当時が偲ばれますね。
元町プールを抜けて「貝殻坂」を抜けると、そこはもう、「港の見える丘公園」がある場所。
貝殻坂左には外国人墓地、坂を上がりきった正面には横浜山手聖公会があります。
今回は港の見える丘公園には行かず、横浜山手聖公会の脇を抜けて丘を下ります。
途中、右手には北原照久さんのおもちゃ博物館が。
その奥を右に曲がると、丘を下れます。
目指すはビール発祥の地。
[上から順に]
日本を代表するキリンビールは、横浜で生まれました。
工場があった場所は、「キリン公園」という小さな公園になっていましたが、そこには大きすぎるほどの石碑が建っています。
ビールのことが書いてある石碑に、子どもたちが上っている光景は、ほほえましいやらなんやら…。
キリン公園から進んで行き、トンネルと抜けるとまた元町通りに戻れます。
その途中にある代官坂は、昔ここに代官が住んでいたのでそう呼ばれるようになりました。
今でも当時を思わせる日本建築が建っています。
ここには「日本バプテスト教会発祥の地」といって、プロテスタント教派のひとつバプテスト教がここで始まったという記念碑があります。
ズラリと紹介してきましたが、横浜には発祥の地がまだまだたくさんあります。
歴史散歩をしながらのサイクリングも、なかなかオツです。
記念碑の内容を読んで、「フム、フム、なるほどね〜」なんて!
さて最後にご紹介するのは、この特集恒例のおいしい場所!
発祥の地ではありませんが、横浜といえば中華街で何か食べて帰らなければ!
元町から中華街に抜け、関帝廟通りを走り、やってきたのは 「 馬(マー)さんの店 」。
本当は 「 龍仙 」という店名が あるんですが、ここの名物おじいちゃん「馬さん」があまりにも有名で、「馬さんの店」のほうが通じます。
この日はあいにく、病院に行く日だったようで馬さんは不在。
でも店の前にいつも座っているので、行けばすぐに誰が馬さんかわかるはず。
最近は雨風もしのげる馬さんボックスも店頭に完成。
看板娘ならぬ看板おじいちゃんです。
ここでぜひオーダーしたいのは水餃子とお粥。
この店、朝7時から営業していて、中華街の中でも朝粥が食べられる店としても親しまれています。
夜も午前3時までやっているので、閉店が早い中華街の店の中でも、かなり使えるお店です。
水餃子も中国で食べる味、食感そのもので、ホントおすすめです。
空芯菜炒めもオーダーしましたが、これもシャキシャキした歯ごたえとニンニクの風味がバッチリで、とてもおいしくいただきました。
さぁ、今回は紹介するスポット盛りだくさんでしたが、たまにはこうした「歴史を巡るサイクリング」も楽しいですよね。
自転車という移動手段ならではの旅だと思います。