秋田県には3つのサイクリングロードがあり、最も長いのが「秋田男鹿自転車道」で全長39.8km。秋田市中心部から日本海沿いを走り、男鹿マリーナまで行くことができます。
そして、次に長いのが「雄和二別自転車道」で、全長35.4km。
こちらは、雄和の黒瀬橋から雄物川(おものがわ) 沿いを河口に向けて走り、秋田市街を抜けたら方向を東へ変え、太平山へ向けて走る山岳コース。
そして最後が、サイクリングターミナルを中心とした、全長27.4kmの「秋田河辺雄和自転車道」。サイクリングターミナルの目の前が秋田県立中央公園で、その中も走るルートです。
どれも走り甲斐があって、ぜひ走ってみたいのですが、今回は宿泊地がターミナルから南に位置するため(ほとんどのルートがターミナルより北側)、独自にコースを設定してみました。目指すは「ふるさと温泉ユアシス」。温泉ですよ、温泉!
ターミナルからスタートしてすぐは、秋田河辺雄和自転車道の一部、秋田県立中央公園内を走ることもできますが、ほんの一部ですし、一般道は車も少ないですから、県道319号線を行くことにしました。
公園エリアが終わると、県道沿いに秋田河辺雄和自転車道が通っているものの、途中、なんと階段が出てくる自転車道でして…。ここも利用せず、そのまま県道を行くことにしました。
それでも「雄和でのサイクリング最高!」と思えるのは、出羽グリーンロードの存在。サイクリストにとって嬉しい、広域農道ですよ!
「道はキレイで、車は少ない」が定番の広域農道を、今回のルートに採用することができました。もう、快適!
[上] 県道319号沿いに秋田河辺雄和自転車道がありますが、草が生い茂っていて、あまりいい環境とは言えません。このまま進むと、途中で階段(スロープつき)が出てきますので、そのまま県道を行くことに。
やがてルートは雄物川沿いへ。
この雄物川、秋田に3つある1級河川のひとつで、昔から暴れ川として人々を悩ませてきました。逆に言うと雄和の生活は雄物川と共にあり、雄物川があるからこそ、自然の豊かな恵みを授かってきたのです。
ちょうどこの日は、秋田に台風が上陸した直後。
増水はしていたものの、ひとまず、冠水箇所は見当たりませんでした。
洪水で悩まされていた昔と比べれば、ずいぶんおとなしくなった雄物川を見ることができました。
さぁ、目的地まであと少し!
雄物川を超えるために、新波橋(あらはばし) を渡ります。
この橋も洪水のたびに流されていましたが、今は立派な赤い鉄橋になっています。
さて、約20kmの道のりを経て「 ふるさと温泉ユアシス 」に到着。
ここは サイクリングターミナル と同じ雄和振興公社が運営をしていて、サイクリングターミナルが宿泊不可となった今、いわば、仮のサイクリングターミナルのような存在になっています。
昔から地元の人に愛されている湯治場で、朝6時からオープンしている朝風呂も、表で待ってまで利用する人がいるほど!
聞けば秋田でベスト3に入るくらい温泉成分が強いお湯なんだそうで、「湯あたりに注意」という貼り紙までありました。
[右] 源泉が流れ出る箇所は、赤い温泉成分が付着しています。鉄分が多いってことですね!
基本的に立ち寄り風呂の利用が多いのですが、宿泊スペースもあって、落ち着いた8畳の和室に泊まることができます。
また、キッチンつきのコテージも併設されているので、仲間とワイワイ行くには、そちらを利用するのもいいでしょう。
お楽しみの夕食は、この連載始まって以来の部屋食! 地元のものがズラリと並んだ9品目のお膳をいただくことができます。
このコースだと1泊2食つきで8,280円。さらに品目を増やして豪華に宿泊することもできます。
雄和名物として有名な「モロヘイヤめん」もいただくことができました。
基本的にうどんなんですが、やはりそこは秋田。
稲庭うどんのように細く作られていて、冷たくして食べるのがベターだそうです。
特に青臭さはなく、こんなにおいしく気軽にモロヘイヤの栄養が摂れるなら、毎日でも食べたい気分。
アップルワインの関連で、薫風のシードル版も飲ませてもらいました。
アルコールが少し強めで、パンチのあるシードルでした。やっぱりシードルはパンチがないとね。
同じくシードルが有名なフランス・ブリュターニュ地方を思い出します。
お米はもちろん、雄和産のあきたこまち。
ご飯がおいしいと、日本人としての幸せを感じます。
[右側写真/上から順に]
1泊2食つきで8,280円のコースでは、写真のような9品目の夕食がつきます。地元の特産がズラリ。
雄和名物「モロヘイヤめん」。地元の農家レストラン「ゆう菜家」の女性経営者が生み出した麺だそうで、農薬は一切使わないモロヘイヤで作られています。