さて、ターミナルからはいろんなコースが取れますが、私は瀬田川沿いを走る観光重視コースをチョイス。
まずは、「 立木観音 」を目指します。
「 立木観音 」は厄除けの観音様で、 弘法大師が光を放つ立木に彫ったと言われています。
国道422号に出て、瀬田川の右岸(進行方向で言うと川の左側)を北上。約2kmで左手に立木観音が見えてきます。
自転車を担いで行こうかどうか迷いましたが、駐車場のところへ止めてきてよかった!
なんと、「 立木観音 」に行くには約700段の石段を
上らなければならなかったのです!!
意を決して石段を上ると、しばらくしたら弘法大師の像があります。
日本全国をその脚で回った弘法大師の姿がなんとも勇ましい。
私も、脚が強くなってもっと自転車で遠くに行けるようお参りをします。
でも、行けども行けどもゴールが見えてこない…。
次第に息が上がりますが、周囲を見ると小さな子どもも、おじいちゃんおばあちゃんも元気に上っているので、ここで根性出さねば!
今どこまで来たのかわからないまま、ふと足元を見ると「三丁」と書かれた石碑があります。どうやら「あと300段」という意味みたい。 ひぇ〜、まだ半分ちょっとしか来てないんだぁ。
それでも一歩一歩進んで行くと、残り100段くらいで、鐘の音が聞こえてきます。
あともうちょっと! 着ていた上着を脱ぎ、うっすら汗をかいて本殿に到着。
約15分の階段トレーニング。スニーカーで来ていたからよかったけど、ロードシューズで上るのはちょっと厳しいですね。
本殿に今回の旅の安全を祈願し、休憩所でお茶を一服。このお茶が、釜で沸かしたお湯を使っているので、なんとも風情があるんです。
ちなみに、弘法大師が彫ったとされる観音様は、本殿の奥にあって拝見することはできませんでした。
少し残念だったけど、「700段上った」という充実感があります。
700段上ったら、700段下らなければならないワケで、またまた長い道のりを経て、自転車のところに到着。脚の張りを感じながら、先へ進みます。
スタートするときに、ふと瀬田川に目をやると、カヌーをしている人たちがいます。
ここ瀬田川は、大阪オリンピックが決まった際には、カヌー競技で使われることになっていたそう。普段からこうしてカヌーの名所として 知られているんですね。
立木観音から再び瀬田川沿いを北上すると、渓谷の風景が一転し、街中の道へと入ってきます。
ここは少々走りにくい。
でも、大都会で走るのと比べたらやっぱりマシ。
近くに採石場があって平日はトラックの往来が多いとのことなので、注意して走りましょう。
次に私が目指したのは、紫式部ゆかりの「 石山寺 」。
紫式部は、あの『源氏物語』をこのお寺で書いたとされています。
「 立木観音 」から約6km。
川幅を広げた瀬田川沿いを進むと、左手に「
石山寺 」が出てきます。
どんどん琵琶湖に近づいていくので、本当に瀬田川の広いこと! 観光中のおじいさんに「ここは湖ですか?」と質問されたほどでした。
「 石山寺 」の入り口には立派な東大門。 そして長い参道が本殿へと続いています。
『蜻蛉日記』『更級日記』『枕草子』など、多くの古典にもこの「 石山寺 」が登場し、「近江八景」といわれる琵琶湖周辺の名所のひとつ、「石山秋月」でも知られています。
最初、自転車を押して参道に入ったんですが、係りの人にとがめられ、仕方なく門の外へ戻り、お土産物屋の裏に止めさせてもらいました。
ほかにも自転車が止まっていましたが、正式な自転車置き場ではないよう。
こういう観光名所に、必ず自転車置き場が設置される日が早く来ないものかと、つくづく思います。
境内は思ったよりも広くて、本殿以外にも、国宝の多宝塔、梅園、源氏文庫などなど、多くの建物や名所があってかなり広い!
園内の梅園は、梅がちらほらと咲き始めていました。
丘の斜面に広がるお寺なので、やはり歩きやすいシューズで行ったほうが無難です。
(立木観音のような長い石段はないけど!)
今回は急ぎ足で回ってしまいましたが、とっても風情のあるところなので、充分な時間を取って訪れてみてください。