それではサイクリングのシメに、ホッとひと息できる場所へ行きましょう。それは、今、奈良で最もおもしろいエリア(…なんだと、私は思う)「ならまち」へ。
ならまちは「奈良町」と書き、そのほとんどは元興寺の旧境内。
町の中心に今でも元興寺はあるんですが、行ってみると私たちが想像できるほどの広さのお寺です。
でも実は、町がひとつすっぽり入るくらい、昔は広かったというのですから驚きです。町全体が江戸時代タイムスリップしたかのような雰囲気で、趣ある町屋が軒を連ねています。
その町屋を覗くと、和装小物屋さんやギャラリー、漢方薬屋さんにカフェなど、オシャレなお店がたくさん。細い路地が碁盤の目のように通っているので、自転車でいろんな道へ入りながら、のんびり走るのにピッタリ。
最初に訪れたのは、鯛焼き屋さんの「 こたろう
」。こちらのご主人、ケンズ井上さんは昔からの知り合い。自転車関係の仕事に従事して来られた方で、本職はコピーライター…だったハズ。
だって、初めてお会いしたときは「キャンピングカーで本屋やりながら、鯛焼き焼いてる」と自己紹介されたんですから。頭の中は「????」でした。
そんな井上さんが、今度は突然、「奈良で鯛焼き屋を始めたんだよ。うちの鯛焼き食べたら人生観変わるよ! 一度食べにおいで」と言われたのは、確かジャパンカップサイクルロードレースの会場でした。
自転車と奈良と鯛焼き…。それだけでもう、歌詞が書けそうです。
自転車が立てかけられたステキなお店は、これがボロボロで「再生不可能」と言われた町屋だったとは思えません。ほとんどご自身で直されたんだそうです。
すっかり鯛焼き職人になった井上さんは、4本の鉄の棒みたいなものを、炎の上でクルクルと回しています。
これがこだわりの「一丁焼き」という焼き方。普段よく見る量産型の鯛焼きとは違い、鋳物の焼型を使って1~2匹の鯛焼きを焼くのが一丁焼きで、強火で一気に焼き上げ、皮をパリパリに仕上げるのが特徴です。 量産型の焼き器はアルミ製がほとんどだそうですが、一丁焼きは鉄ですので、おいしさ倍増。
餡は十勝えりも小豆を使用。皮には卵を使わず、水と小麦粉と少しの上新粉。
卵を使わないことで小麦の味がしっかりし、上新粉によって皮のパリパリ感が増すとのこと。うーん、さすがこだわっています。
焼き型をパカッと開けると、2匹のカワイイ踊り鯛。
周囲にはみ出た皮が焼き型で圧縮され、おせんべいみたいになっています。
「さぁ、食べてみて!」
焼き立てを井上さんから受け取り、アチチチッ。
わーい! いただきます♪
おっしゃるとおり!外はパリパリ、中はモチモチ。
小麦の味と、小豆の味。
素材の味を楽しめるのって、やはり大人になって来た二度目の修学旅行だからかしら?
井上さん、恐れ入りました。
店内では井上さんセレクトの絵本も販売していて、子どもたちの図書館とも化しています。1個100円のカワイイ鯛焼きを買いに来た子どもたちは「鯛焼きちょうだい!」と言ったあとの10分間、 この絵本を読みながら、香ばしい匂いをかぐのです。
もちろん井上さんは自転車についても詳しい方で(鯛焼きの出前も自転車!)、サイクリストを温かく迎えてくれます。鯛焼きを待ちながら自転車談義っていいですね~。
さて、旅の締めくくりとしてお茶でもしましょう。
向かったのは、故・河島英五さんの奥さんが営む「
TEN.TEN.CAFE 」。
2001年、48歳でこの世を去った英五さんは、ならまちの十輪院へ眠っていらっしゃいます。
生前からこの町を愛していた英五さん。
もともと大阪・法善寺横丁で「バンディアミール」というカフェを開かれていましたが、不幸にも2度の火災に遭い、2003年その店をたたんでならまちへ移ってきました。
町屋を改装した店内は、想像通りのなごみの空間と想像以上の開放感。
2階は英五さんをしのぶギャラリーにもなっていて、愛用していたギターや歌詞ノート、自転車まで置いてあります。
実は英五さんも自転車好きで、日本アドベンチャーサイクリストクラブの理事も務めていらっしゃいました。
その父の遺志を受け継ぐのが、長男の翔馬さん。
歌手である翔馬さんは自転車で全国の会場を回る「全国縦断チャリティーライブ」を決行中。
「シンガーソングライター」ではなく、「シンガーソングサイクルライダー」として北海道から南下しています。
「ずっと走っているのではなく、縦断ルートへ行き来しながらなんですが、大変です。機材などがあるのでスタッフは車移動なんですが、『もうすぐゴール』っていうときに『最後の坂キツイよ』って、 スタッフからイヤ~な電話がかかってくるんですよね(笑)」
そう笑う翔馬さんは、ちっともイヤではなさそう。
「それまでは、知らない土地へ行っても、せいぜい会場の周辺のことしか覚えてなかったですけど、自転車でたどり着いた土地は記憶に残りますよね。 屈斜路湖を走っていたときなんか、緑だった湖が、時間が経つにつれ青になり、やがて夕日でピンクに変わっていくんですよ。そんな景色、自転車じゃなきゃ見られない (翔馬さん)」
そんな自転車の話もできる「TEN.TEN.CAFE」は、お茶も食事も可能です。
私は「らくだモナカアイス(550円)」を注文。
モナカの皮に、自分でアイスと餡を挟んで食べるんです。
作り立てのモナカは、皮がサクサクしてておいしいんですよね。普通のモナカはあまり好きじゃないけど、作り立ては大好き♪
さてさてこれで、奈良の旅はおしまい。
4月11日の奈良サイクルフェスティバルの詳細は、以下に記します。このイベントに参加すれば、奈良の魅力を満喫できること間違いなし。
スタッフが熟考したコースを回るだけで、自然と「2度目の修学旅行」にもなりますしね。
また、地図には今回特別に、地元スタッフがピックアップしてくれたオススメスポットも入れておきます。おいしい立ち寄りがたくさんありますので、イベント以外で奈良へ行く際にも参考にしてください。
さぁ、みなさんが奈良でどんな再発見をされるか、楽しみだなぁ。
開 催 日 | 平成22年4月11日(日) ※小雨決行 | ||||||||||
日 程 |
| ||||||||||
場 所 | 平城遷都1300年祭平城宮跡会場および平城京周辺サイクリングコース | ||||||||||
各サイクリングイベントと予定募集人員 |
| ||||||||||
参加費用 | タイムトライアルレースのみ1,300円、ほかは無料 | ||||||||||
開 催 日 | 平成22年10月2日(土)~3日(日) |
2日に平城遷都1300年祭平城宮跡会場へ集合。セレモニーのあと、6つのサイクリングコースに分かれてスタート。そのうち1コースが奈良サイクルフェスティバル(平城京周辺) のコース(この記事で紹介したコース)。
そのほか、古代のロマンと古墳を巡る「飛鳥藤原コース」、三船雅彦と走るヒルクライムロング「大和高原コース」、世界遺産とはなの里「斑鳩、信貴山コース」、神々が眠る神話の故郷「葛城コース」、
桜で有名な吉野山へサイクルトレーンで行く「吉野コース」がある。
宿泊は各コースのゴール地点周辺。夜はそれぞれのコースごとに交流会を開催。
3日は各自、各コース自由にサイクリングスタート。さらに信貴生駒スカイラインのヒルクライムなど、様々な脚力レベルに合った多彩なコースを設定する予定。
詳しくは 奈良県サイクリング協会
のサイトで適時掲載予定。
全国にある各都道府県サイクリング協会を7つのブロックに分け、 全国大会は7つのブロックで持ち回りで開催。 ブロック大会は、そのブロックを構成する各都道府県サイクリング協会で持ち回りで開催されるサイクリング大会。大会ごとにさまざまな魅力があります。
誰でも参加できますが、
JCA会員 になると大会の案内がスムーズに入手できるほか、参加費の割引があります。各都道府県サイクリング協会の連絡先は
コチラ 。
大 会 | 開 催 日 | 開催地域 |
![]() |
10月2日(土)~3日(日) | 奈良県 奈良市周辺 |
![]() |
7月31日(土)〜8月1日(日) | 北海道 名寄市周辺 |
![]() |
9月4日(土)~5日(日) | 岩手県 遠野市周辺 |
![]() |
9月25日(日)~26日(月) | 新潟県 南魚沼市周辺 |
![]() |
11月13日(土)~14日(日) | 岐阜県 山県市周辺 |
![]() |
9月25日(土)~26日(日) | 岡山県 真庭市周辺 |
![]() |
10月16日(土)~17日(日) | 長崎県 諫早市・雲仙市周辺 |