田園地帯を抜けると、ここからは観光スポットが目白押しです。
まず訪れたのが、「
後宇多(ごうだ) 天皇陵 」。正式名を「後宇多天皇蓮華峯寺陵」といいます。
後宇多天皇は第91代天皇で、鎌倉時代の天皇となるそうです。天皇陵といえば入口からお墓までが遠く、しばらく砂利道を歩かされる印象が強いですが、こちらはあまり歩かなくていいのでオススメです。
「 後宇多天皇陵 」からすぐの場所のあるのが「
直指庵(じきしあん) 」。
その名前から、茶室か何かかと思いましたが、とっても雰囲気のあるお寺でした。
竹林の奥にひっそりと構えられた門と、それを覆う楓。
紅葉の頃に来るとまたステキでしょう。
前半のハイライトとなるのが、次に訪れた「
大沢池(おおさわのいけ) 」。
大覚寺にある池で、広沢池同様時代劇に数多く登場。
大覚寺そのものも使われるそうで、こちらも時代劇で予習してから来るといいようです。 |
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[左] 日本最古の庭湖としても有名な「大沢池」。中国の洞庭湖を模して造られたそう。左に見える赤い橋は時代劇のシーンで見覚えある? |
大沢池は観月の名所としても知られていて、奈良の興福寺・猿沢の池、滋賀の石山寺( 07年3月の記事 で登場)とともに日本三大名月観賞地といわれています。
大覚寺 をあとにしたら、ここらは2kmほど走りに集中します。しかも若干の上り。でも問題ありません。景色がとってもキレイですから!
この上りは愛宕山(あたごさん)への上り。
全国に愛宕山はたくさんありますが、ここにある愛宕神社が総本社なので、元祖・愛宕山を上っていることになります。
でも山頂までは行けないので、清滝トンネルの手前で折り返すように下りの道へ。
その折り返し地点にあるのが「 愛宕念仏寺 」です。同じ愛宕でも、こちらは「おたぎねんぶつじ」と読みます。関西の地名は難しいですね。
愛宕念仏寺から下ってすぐにあるのが、茅葺き屋根が立派な「
平野屋 」です。
鮎が食べられる高級食事処です。でも、鮎を食べるとなると昼でも1万円近くするので、軒下でお茶をいただくことにしました。
メニューの張り紙には「愛宕山名物だんご・しんことうす茶」と書いてあります。これが有名なんだそうで、とにかく頼んでみると3色の団子と抹茶が出てきました。
団子はお米の粉「上新粉」でできているので「しんこ」といい、うす茶が抹茶のことだとか。私は勝手に「お新香と色の薄い番茶」を想像してしまいました。つくづく関西の文化は難しい…。
3色の団子はニッキと抹茶とノーマルの味。ねじってあるのは愛宕山頂までの山道を模しています。
ここは、愛宕参りをする人々が一服するために立ち寄った茶屋なんですよね。
すぐそばにある赤い鳥居は、愛宕神社の一の鳥居(最初の鳥居)です。 |
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[左から順に] 愛宕神社の「一の鳥居」そばに、鮎の茶屋「平野屋」があります。さきほどの上りから下を見るとこの茅葺きも見えます。 |
平野屋 からしばらくは、嵐山らしい景色が続きます。 茅葺き屋根や民芸品を売る町屋などなど…。女性なら何度も立ち止まってしまいそうなコースなので、ここは時間をたっぷり取ったほうがよさそうです。
また時期によっては観光客が多いときもあるので、その場合は自転車を降りて押しましょう。
古い町並を過ぎたら、ぜひ立ち寄りたいお寺が続きます。
まずは「平家物語・悲恋の寺」といわれる「 祇王寺 」。
極簡単に言うと平清盛に振られた女性が出家した寺なので「悲恋の寺」という枕詞がつきます。
次に「
二尊院 」。釈迦如来立像と阿弥陀如来立像の二尊があることから、この名がついています。
そして「 常寂光寺(じょうじゃっこうじ) 」。
百人一首にも出てくる小倉山にあり、運慶の作といわれている仁王像があります。
どれも紅葉が美しい寺としても有名ですので、見ごろとなる11月にも訪れてみたいですね。 | ||
[左から順に] まるで楓でできたドームのよう。悲恋の寺「祇王寺」は、美しい場所でした。 「二尊院」の広い参道は「紅葉の馬場」ともいわれているそう。「馬場」とは「広い場所」の意味で使われているんだと思います。 「常寂光寺」の門前にて。「勅願所」とあるので、天皇の命で建立されたか、またその関係。このあたりでも紅葉の美しさは随一とか。 |