まっすぐに伸びる道は、幅が広くて街道の趣き。
札の辻交差点まで来たら、ここからがいわゆる「小江戸」と呼ばれる川越中心部です。
すぐに、国指定重要文化財の「大沢家住宅」があります。寛政4年(1972年)の建築で、「関東の町屋!」という感じです。
この通りに多く見られる「蔵造り」は、そもそも、火事が燃え広がるのを防ぐために採用されたんだそうです。
いわゆる「耐火住宅」の蔵造りは、江戸時代の町屋形式の象徴だとか。今でもこうして「町」として残っているのがすごいですね。
建物は低く、道幅は広く、郵便局やクロネコヤマトまで町屋風になっています。 ただ、車が多いのが玉にキズ…。
まぁ、このアンバランスさがいいのかもしれませんが。
大沢家住宅の少し先、左の路地へ入ると「時の鐘」があります。
約400年も前から鐘を鳴らし、時を伝えてきたんだそう。
今でも午前6時、正午、午後3時、午後6時に鐘が鳴ります。
平成8年には環境庁(現・環境省)の「残したい日本の音風景百選」にも選ばれました。
小江戸散策を終えたら、少し路地を入ったところにある駄菓子屋横丁へ。
昭和初期には70軒あまりの菓子店や卸問屋が軒を連ねていたそうで、今でも約20軒の駄菓子屋さんが、懐かしいお菓子を並べています。
「あぁ、これ食べてた!」と懐かしい想いに浸りながら、自転車を押して歩いていると…。軒先に貼ってある「たこせん」の文字。
「???」と思っていると、大阪出身のカメラマンさんいわく、大阪ではポピュラーなおやつなんだそう。
子どもの頃はたこ焼きのパックを買うお金がなく、おばちゃんに1個だけ売ってもらって、エビせんべいに挟んで食べていたんだそうです。
熱々のたこ焼きがおいしそうで、体も冷え切っていたので1個購入。
せんべいに挟まれたたこ焼きに、ソースとマヨネーズをかけていただきます。
パクリッ! 隣にいたお兄さんは、1個食べた後「おいしいからもう1個!」と買い足していましたよ。 |
駄菓子屋横丁を抜け、右に行くと、今回の目的地でもあった 「 稲葉屋本舗 」へ たどり着きます。
ここは川越名物「いもどうなつ」が有名なお菓子屋さん。
川越の名物が、実はサツマイモなんです。
川越にはサツマイモを使ったお菓子や料理、加工品がたくさん。
だから、ここで「いもどうなつ」を買うのが目的のひとつだったんです。
ドーナツ生地の中に、サツマイモで作った餡が入っていて、洋菓子のような、和菓子のような…。
ドーナツも餡も、ほのかな甘さがグッドです!
稲葉屋本舗は昭和13年創業。
くずゆや麦棒なども作っていて、軒先では、ふかし立ての紅イモまんじゅうが私を誘います。
1個購入し、店の中でいただきます。 |
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職人歴40年以上の長井和男さんに話を聞くと、たまにサイクリング途中の人も寄っていくそうです。和菓子は補給にもいいですもんね。
また「この先に自転車屋さんがあるんだよ。本格的にレースなんかも出てるみたいだよ。寄ってみたら」と。それは行ってみなければ!