今月は郡上八幡(ぐじょうはちまん) へ行ってきました。この地名を聞いて、ピンとくる人も、まったくご存じない人も、なんとなく聞いたことがある人もいらっしゃることでしょう。 私は「なんとなく聞いたことがある人」でした。
郡上八幡は、岐阜県にあります。
名古屋駅から電車で2時間30分ほど、車なら1時間ちょっと北上したところ。
まずはどうやって行こうかと、地図を眺めていると…。美濃太田駅から長良川鉄道が伸びているではないですか。 わたくしごとですが、最近「私って乗り鉄?」と若干思うくらい、いろんな鉄道に乗ってみたくて仕方がないんです。
調べてみたら、今年は7月10日(土)に実施されたようですが、現在も8月6日までは自転車持ち込みが可能なんだそう。「山田」という駅から「北濃」までの区間で、 「自転車持込可」と書いてある車両であれば、自由に持ち込め、持ち込み料も不要です。
区間は「郡上八幡」より北側ですが、サイクリングの途中に利用するのもいいでしょう。
詳しくは 長良川鉄道 のほうへ。
さて、名古屋から「ワイドビューひだ」に乗って「美濃太田」で長良川鉄道に乗り換えるのですが、その前にもうひとつ目的が。
なんと美濃太田駅には、今でも駅弁の売り子さんがホームに立っているとのこと。
首からトレイのようなものを下げて、駅弁を売って歩いているあの人です。
どうしてもその人に会いたくて、駅弁を扱っている向龍館へ電話。美濃太田駅名物「松茸釜飯」と「ておけ寿司」の予約を入れると、 「いつもは特急のホームで売ってるんだけど、長良川鉄道のホームへ持って行ってあげるよ!」と社長の酒向(さむかい)茂さん。
特急を降りて、長良川鉄道のホームで切符を買ってると(切符売り場はホームにあります)、向こうからお弁当を持った方が!
キャー、初めて見ました!
思わず「写真撮っていいですかぁ!?」。
忘れていた「子どもの頃の憧れ」に出会えたようです。
酒向さんによると、こういう形式で駅弁を売っているのは「全国でも5社くらいしかないんじゃないか」と。
「売店に座っていただけじゃ弁当は売れないからね。自分の脚で売りに歩かなきゃ」と、酒向さんは商売上の話をされますが、日本の原風景を守ろうとする心も見えました。
決して無責任な言い方をするつもりはありませんが、ぜひ、続けていっていただきたいと思います。
みなさんも美濃太田駅へ行ったら、ぜひ酒向さんを探してください!
さて、長良川鉄道にいよいよ乗り込みます。
切符を買って、整理券を取って…。
なんだかバスみたい!
そしてシートは意外にも現代的なベンチシート。
「うぅぅ…、ちょっと駅弁は食べにくいかな…」。
でも、旅の恥はかき捨て。
「長良川鉄道」というくらいですから、車窓には長良川が見えてきます。そして何度か川と線路が交差します。五木ひろしの歌が頭の中を駆け巡るのは言うまでもありません。
また楽しかったのは、この鉄道の駅!
みなみ子宝温泉駅は、駅舎が温泉なんです…。意味がわかりますか?
駅を降りて、ホームを歩いて、改札を出ようと思ったら、そこにある扉は子宝温泉の入り口なんです。もう、ビックリ!
その2つ先の深戸駅は駅舎が喫茶店でした。
なんだか楽しいぞ! 長良川鉄道!
良きところでさっき買ったお弁当を食べなければ。
乗客も減ってきたし、せっかく1時間25分も時間があるので、この時間を使って腹ごしらえ。
いよいよ「郡上八幡」へ到着です。
郡上八幡といえば、実は水が豊かな土地なんです。
長良川の支流である吉田川が流れており、街のあちこちには水路があります。
そしてなんと言っても驚くのが「郡上おどり」という、盆踊りのような行事。
実に1か月以上も毎晩、毎晩、郡上おどりのお祭りが開かれ、お盆の4日間は「徹夜おどり」と言って、朝まで踊るというのです。どんだけー!
そんな郡上八幡の宿は、もちろん「 八幡町サイクリングターミナル 」。市街地から6kmほど吉田川を川上へ行ったところにあります。
館内はリニューアルが施されていて、とっても明るい雰囲気。ちょうど、隣の小学生が野外授業で泊りに来てて、なんだか活気もあります。
また、原稿を書く仕事を抱えて行った私にとって救世主だったのは、ワイヤレスのインターネット回線があったこと。サイクリングターミナルでインターネットが使えるのはめずらしい。
ビジネスユースにも使えますね。
最近は、旅の様子をすぐにブログへアップしたいものですし。
食事は地のものを中心に。この日のメニューは、鶏肉の朴葉焼きがメインでした。
朴葉焼きは飛騨高山でおなじみですが、ここの朴葉焼きは郡上味噌を使っているのがミソ(笑)。
この味噌についてはのちほど。
また、鶏は古地鶏(こちどり) という、このあたりのブランド肉が使われていました。
郡上八幡は鶏肉をよく食べるそうで、このお話もあとで出てきます。