今回やってきたのは、宮城県にある「 名取市サイクリングターミナル 」。
名取市とは仙台市から10kmほど南下した太平洋岸に位置し、南端には仙台空港があります。
有名なのは閖上浜。
閖上は「ゆりあげ」と読みます。門に水と書いて閖。最初はなかなか読めませんよね。
その閖上浜に建つ 名取市サイクリングターミナル は、子ども用のおもしろ自転車が充実し、専用コースもあります。
夏にはプールも開かれるので、地元の家族連れにも親しまれているとか。
[左上] 入口の門。門の左に書いてある通り、「名取市閖上海浜プール」も併設しています。 [右上] 建物の真横が名取市閖上海浜プールで、夏は大賑わいです。 | ||
ターミナルの前には仙台亘理(わたり) 自転車道が通っており、ターミナルから県南の亘理町まで行けます。
自転車道から阿武隈川へ入り、その川沿いを走ることもできるそうで、ターミナルを拠点にいろいろなルートが取れるようです。
家族で行った場合は、健脚のお父さんは自転車道へ、お母さんと子どもはターミナル内で遊ぶというのもいいでしょう。
[左上] 小ぢんまりとしたお部屋ですが、清潔で落ち着きます。トイレとお風呂は別です。 [右上] 部屋が並ぶ宿泊階には、ロビーと自動販売機があります。 |
||
今回は仙台亘理自転車道へ行くことも考えましたが、立ち寄りスポットの多い市内中心部へ向かうことにしました。テーマは「熊野三社めぐり」。
「宮城に来て熊野三社?」と思われるでしょうが、それが実現可能なんです!!
「熊野信仰」というのは全国に広がっているんですが、「熊野本宮」、「熊野新宮」、「那智大社」を合わせて「熊野神社」としているのが標準。
しかしここ名取は、「 熊野本宮社 」、「 熊野神社(旧新宮社) 」、「 熊野那智神社 」の3つに分かれているところがめずらしく、しかも、その位置関係が熊野とそっくりなんだそう。 三社はそれほど離れていないので、名取熊野三社なら自転車で回れるというワケ。
…ということで今回は、縁起も良さそうなパワースポットめぐりといきましょう!
さっそく名取熊野三社めぐりにスタート。
でももうお昼時。せっかくなので、閖上で獲れる魚介類を食べて出かけましょう。
ターミナルを背にして走りだすと、目の前に川のような水辺が登場します。
ここは「広浦」といい、太平洋と平行、名取川と交差するように横たわる、変形の入り江(地図参照)。
だから、太平洋側のターミナルとしてはめずらしく、広浦へ沈む夕日も楽しめるというのです(このページのタイトルに使った写真がその夕日!)。
入り江に船が泊まっていると、なぜかヨーロッパの港風景を思い出します。たぶん、本物の風景だからだと思います。
つまり、そこにあるのが実際に使われている船であり、生活に根差した風景が構成されている。その点が共通しているのです。
テーマパークでは、こうはいきません。
広浦にかかる橋を渡って、まずは閖上港を目指します。
道なりに北上していくと、マルヤ水産の前でものスゴーークいい匂いが!! 見れば何かの稚魚を干しています。 |
||
匂いだけでご飯が食べられそうなくらいおいしそうな匂いだったので、作業をしている方に思わず声をかけてみました。
3分の2畳くらいの網には、白い稚魚がギッシリ広げられています。
一般的に知られている「しらす」にしては大きいし、そこの方に聞いたら「コウナゴ」というそうで、 「"小さい女の子ども"(=小女子) と書くんだ」と教えていただきました。あとで調べたら「イカナゴ」の別名でした。
「ちょっとつまんで食べてみたら?」と言われたので、遠慮なくパクリ。
うーーーん、「あったかいご飯持ってきてくださーーい!」と叫びたいくらいでした。柔らかくて、適度な塩加減で、本当においしかった!
作業をしている方にお礼を言って、再び北上。