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フリーライターの 詳細へ土肥 志穂 が サイクリングロードを実際に走っておすすめポイントを紹介します!

関東にもあるぞ!廃線サイクリングロード

先月、 詳細へ耶馬溪サイクリングターミナル の紹介で、 詳細へ「メイプル耶馬サイクリングロード」を走りました

大分交通耶馬渓線の廃線を利用したサイクリングロードでしたが、関東にも廃線サイクリングロードがあるんです。

それが、「桜川土浦自転車道」、通称「つくばりんりんロード」。

筑波鉄道が1987年で廃線となり、それを利用してできたサイクリングロードです。

先月もお伝えしましたが、廃線のサイクリングロードは、起伏、カーブが少なく、とっても走りやすい!

今回は、筑波大学大学院人間総合科学研究科教授・蓮見孝先生にお話をうかがってから、スタートしました。

ご自身もサイクリストで、年に1度は研究室のみなさんと、りんりんロードへサイクリングへ出かけられるという、りんりんロードの達人です。

蓮見先生が教えてくださった立ち寄りスポットは、このあと順に紹介していくとして、蓮見先生が語ってくれたりんりんロードの魅力の中で、 もっとも印象に残ったのは、

「鉄道の周辺って看板がないんで、今、日本の街にありがちなグラフィックのうるささがなく、日本の原風景のようなものを 感じることができると思いますよ」という言葉。

日本の「道」は、今や、どこへ行っても看板だらけですよね。それがない風景って、どこか懐かしさを感じるそうなんです。

そんな「日本の原風景」を求めて、いざ、出発!

スタートは土浦駅西口。

駅を背にして右手に、サイクリングロードの場所を示す看板があります。
看板に従って進み、突き当りを右に曲がると、それらしい線路沿いの道に出ます。

少し行くとメイン道路に行き着きますので、そこを渡って右に見える川沿いの道に入ると、本格的に「つくばりんりんロード」の始まりです。

走り始めて3kmも行くと、「ここが土浦駅のすぐそば!?」と驚いてしまうほど、のどかな田園風景が広がります。

そこを突っ切るように走るサイクリングロード。

そばにはハス畑が見えます。
土浦は日本一のレンコンの産地なんだそう。

土浦駅から出発して3.7km地点、「虫掛休憩所」が見えてきます。

ここは以前、駅でした。
石造りのホームが、昔の姿を残しています。

つくばりんりんロードにも、メイプル耶馬サイクリングロード同様、こうした駅の跡が休憩所として利用されています。

旧虫掛駅をあとにして、次に目指すのは3.8km先の藤沢休憩所。

それにしても、本当にまっすぐな道が永遠と続きます。これじゃあ迷いようもないくらい、バッチリ整備されたサイクリングロード。

蓮見先生のおっしゃった通り、グラフィックのノイズはまったくありません。 そればかりか、地元の方が植えられた桜の木や花が、四季折々の表情でサイクリストを喜ばせてくれます。

この時期はちょうどソバの花が満開!
茎のグリーンと花の白が溶け合って、淡い淡いうぐいす色の大地を見せてくれていました。

そうこうしているうちに、藤沢休憩所に到着。
土浦駅から7.5km地点です。

あまりにも走りやすいので、ここまではあっという間。

藤沢休憩所はトイレもあって、一息つくのにピッタリです。

ホームには屋根やベンチまであるので、さらに駅っぽい姿になっています。

藤沢休憩所を過ぎると、道端に大きな銀色の筒が並び始めました。

「国土地理院」の文字が入っているので、おそらく測量か何かに使うものかと。
宇宙に生えたキノコのような姿が目を引きます。

サイクリストの中でも「あれは何だ?」と話題になっているようなので、国土地理院に問い合わせてみました。

あれは、「距離標準比較基線場」というそうで、測量器械の機能を点検するための施設だそうです。

宇宙キノコのようなこの施設は、設置距離が正確に決められています (この正確な距離のことを「基線値」と呼ぶ) 。

施設の上部にある白い半球のドーム (レドーム) をはずすと、中には測量器械を固定できるようになっています。

そこに測量器械を設置して測量を行い、その測量結果と、正確に決められている基線値を比較することで、測量器械の機能を点検しているんだそうです。

正確な経度・緯度の決定、地図の作成、土地の面積の測定などは、こういう「距離標準比較基線場」に支えられているんですね。

さらに進むと、サイクリングロードは小さな山に突き当たります。

ここは昔、小田城があった場所。

鎌倉時代から戦国時代末まで、この地方に勢力を張った小田氏の居城でした。

サイクリングロードはこの山を避けるように右カーブを描きます。

そのカーブに沿って進むと、右手の奥では、小田城の発掘作業をやっていました。

途中、竹やぶを抜け、再びまっすぐな道に戻ったつくばりんりんロードを行くと、目の前に筑波山がキレイに見えてきます。

この日は、筑波山山頂付近だけ曇っていたため、壮大な姿…、とまではいきませんでしたが、2つの峰がうっすら見えます。

左が男体山、右の高いほうが女体山で、標高877m。

健脚さんは、途中まで自転車で行くことができますので、挑戦してみてもいいですね。
山頂へは徒歩とロープウェイ、ケーブルカーで登ります。

山もキレイ、道端の花もキレイ、りんりんロードもキレイ。

ここまで順調に走ってきて、快適この上なし!