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2017年 JCA会長 新年挨拶文  谷垣 禎一 会長挨拶

2017年JCA会長 谷垣禎一  新年の挨拶
新年、明けましておめでとうございます。
 平成29年の初春に際し、スポーツバイク・タウンバイクを利用する全国のサイクリストの皆様はじめ、日頃から私ども公益財団法人日本サイクリング協会(JCA)の交通法規を遵守した「正しく楽しいサイクリングの啓発と活動」の各種事業に常時多大なご協力を頂いている自転車関係業界の皆様に衷心より厚くお礼を申しあげます。
 今年のトピックスは、私が会長を務める自転車活用推進議員連盟が3年がかりで取組んできた、自転車の有用性を十分に発揮できる環境の整備を目指した「自転車活用推進法」が、昨年12月9日に可決され、今年中に施行されることにあります。
 この法律を簡単にご説明すると、自転車を極めて身近な交通手段として位置付け、環境への負担の軽減、災害時における交通機能の維持、国民の健康の増進等を図ることが課題であるとし、今後の自転車活用の推進に関する施策の基本を示しています。
合わせて、国、地方公共団体、事業者、国民それぞれの責務について示すと共に、重点的に検討され実施されるべき施策について15項目にわたって具体的な表記がなされています。条文は硬く難解ですが、この15項目について賛助会員の皆様には是非知っておいて頂きたいので以下に記します。
1 良好な自転車交通網を形成するため必要な自転車専用道路(道路法(昭和27年法律第180号)第48条の14第2項に規定する自転車専用道路をいう。)、自転車専用車両通行帯等の整備
2 路外駐車場(駐車場法(昭和32年法律第106号)第2条第2号に規定する路外駐車場をいう。)の整備及び時間制限駐車区間(道路交通法(昭和35年法律第105号)第49条第1項に規定する時間制限駐車区間をいう。)の指定の見直し
3 自転車を賃貸する事業の利用者の利便の増進に資する施設の整備
4 自転車競技のための施設の整備
5 高い安全性を備えた良質な自転車の供給体制の整備
6 自転車の安全な利用に寄与する人材の育成及び資質の向上
7 情報通信技術等の活用による自転車の管理の適正化
8 自転車の利用者に対する交通安全に係る教育及び啓発
9 自転車の活用による国民の健康の保持増進
10 学校教育等における自転車の活用による青少年の体力の向上
11 自転車と公共交通機関との連携の促進
12 災害時における自転車の有効活用に資する体制の整備
13 自転車を活用した国際交流の促進
14 自転車を活用した取組であって、国内外からの観光旅客の来訪の促進、観光地の魅力の増進その他の地域の活性化に資するものに対する支援
15 前各号に掲げるもののほか、自転車の活用の推進に関し特に必要と認められる施策
 皆様がお住まいになっている地域の自治体は、従来、自転車の乗用環境整備は、主に都市部での移動手段の効率化を目的としていましたが、近年、この目的以外にサイクリングを観光施策に据える自治体が出てきました。
この傾向は本会が進める「JCAサイクリングコース100選」事業にも少なからず影響を与え、益々広がって行くと考えます。
 また、スポーツバイクの普及に伴ってダメージの大きい自転車の事故が増加し、社会問題として顕著化されてきています。
 賛助会員の皆様におかれましては、この法律をただ傍観するだけではなく、日頃のサイクリングで培った交通ルールをスマートに実践するライディングや施策に関する様々なアイデアをもってサイクリング環境の更なる改善を目指して積極的に関わって頂きたいと願っております。
 今年一年、賛助会員の皆様方のご多幸と安全で楽しいサイクリングライフをお過ごしされることを祈念して新年のご挨拶とさせて頂きます。

 

公益財団法人日本サイクリング協会 会長谷垣 禎一